【脳研究 – headlines】
WUのSnyder-Andersenのグループからですね。同じWUでもCorbetta-Shulmanはhumanでattentionが売り物なんですが、この人たちはnhpでintention。Intentionといえば、やはり1997年のNatureでしょう。そのうち読んでみます。
Hopf-Luckのグループから。Titleがちょっとわかりにくいですね。これもそのうち精読。
【研究生活】
今日で出向先の荷物は全て処分し終わって、ようやく異動準備が完了しました。結局博士課程の3年間ほぼ全部お世話になったんですが、いざ片付けてみるとあっけないものですね。あれだけ荷物が積みあがって煩雑だった僕のスペースが綺麗さっぱり何もなくなっているのを見ると、ああついに新天地に赴くんだなと改めて実感が湧いてくる気がするのでした。
ところで、今日はその新天地=内定先の方の仕事ということでさっそく夕方から出向先の会議に出席。要するに内定先が今度から出向先と共同研究をやることになっていて、その責任者が僕だというのは以前も書いた記憶があるんですが、むしろ内定先の人が来るよりも顔なじみの僕が出た方が好都合だったみたいですね。 でも何だか共同研究計画の打ち合わせのつもりが途中からだんだん研究の議論になっていって、methodologyの話題に突入した後はすっかりそちらにのめり込んでしまったのでした。研究者同士の議論なんて所詮そんなもんだとは思うんですが・・・w
その後は僕の壮行会?みたいなものも兼ねて何と大先生のおごりで飲み会へ。ただ、行った先がまたしても江戸前すし屋。 何度か大先生にご馳走になった店なんですが、昨日もすし屋行ったばっかりで今日もとなるとなかなかに胃がもたれる感じがしてしまったり。それでもまぁ、寿司をつまみ酒を飲みながら居合わせた皆さんと無礼講で酔っ払いながらこれまた議論(注:中には偉い先生も混じってたんですよw)。中でもconsciousnessについてneuropsychologyの観点に基づいて激論を交わしたのは非常に楽しかったです。酒の入った議論でも、これぐらい気合いの入ったものだと実りあるものになっていいですね。
そんなわけで僕の学生生活はこれにてめでたく全て終了です。いよいよ新年度からはプロの研究者としての第一歩を踏み出します。税金ドロボーとしての自覚を胸に頑張ります。・・・あれ?
【大学・大学院&ニュース】
誰だ?と思ったら何と「ローライズパンツ脳」のS先生でした。ってことはアカセクハラする脳(しかもprefrontal impaired)ってのもあるんですかねぇ。何ならうちのfMRIで見てあげますよ。 にしても微妙に記事がリアルですね。若い女性PDに・・・というのが想像できてしまいそうです。
というのはさておき、大学・大学院なんてアカセクハラの温床だと思うんですよね・・・特に理学系だと男社会の色合いが濃いのでなおさらな気が。東○大のケースみたいなほぼ犯罪という極めて悪質なアカセクハラはさすがに多くないし、うちの大学ではアカハラは耳にしてもセクハラはほとんど聞いたことがないんですが、それでも所属先の助教授なんかは律儀に「女子学生の指導をする時は学生部屋まで出向いて衆人環視のもとで指導する」ってのを徹底してたし。「居室に招く時はドアを開けておく」どころじゃないってのがすごいというか、助教授は厳しい人なんで周囲に聞こえるように研究内容をボロクソにけなされるのもそれはそれでセクハラよりきつい気もしますがw
でもやっぱりそんな対策をすること自体は全く本義ではなくて、結局のところは女性に対して独立した一個人として真剣に相対することができるかどうかという、あまりにも当たり前のところを直していかなきゃ大学のセクハラ問題は永遠に片付かないんでしょうね。先日の宴席で女子学生を囲んで何人もの先生がセクハラまがいの言動をしていて平気という事態が生じる時点で、その改善状況たるや推して知るべしというところなんでしょうが・・・。「男社会のセクハラ体質」が旧態依然のまま生き延びていること自体にもっと大学の人間が危機感を持つべきだと思います。
ところでshokou5さんのところで言及されている通り、このままS先生が職を解かれればラボの学生たちはそれこそ路頭に迷うことになるわけです。先日の多比良研の問題といい、courseの途中でボスの首が飛ぶというのは学生たちにとっては大変由々しき問題です(特に博士課程だと最悪学位取得不可能なんて事態に陥ることも)。そういうことに対する責任感をこれらの先生方は持っているのかどうか。残念ながら疑わしいと言わざるを得ないと思います。
あとは、ありがちな話ですが「脳科学者ってみんなセクハラするんですか?」とかいうネタに発展する可能性。そういうのは勘弁してください。
(追記)
stochinaiさんの本日付けのエントリで本件に関して言及がありました。 毎日の記事を読んでいて「諭旨解雇の前に辞職が成立する」というのが何を意味しているか最初わからなかったのですが、このエントリを読んで納得しました。もしかして今度からは懲戒処分を逃れる脳とか出てくるんでしょうか(言いすぎ)。
トラックバックありがとうございました。ローライズパンツのコメントについては初めて知りましたが、これって科学ですか?これに限らず、脳科学に関しては、専門家からの批判が少ないことがちょっと気になっています。しかし、「れっきとした病気」って、やっぱりおかしくないですか。
院生の問題はわかりますが、日本の大学院がたこつぼ的なのが原因のひとつだと思います。アメリカのように複数のスーパーバイザーによる集団指導体制をとっていれば、こういう時にもセーフティネットになるのではないでしょうか。
トラックバックありがとうございました。
それにしても澤口先生側の対応も相当上手ですね。優秀なブレインがついているんでしょうね。
それにしても、脳科学と言うのは脳そのものを語っているつもりでも、無意識に社会的な話題にシフトしてしまいがちですから、充分気をつけなければいけませんね。とかいいつつ自分も酒呑み話のネタにしちゃっているんですが…。
新しい職場での御活躍お祈りしています。
ご就職おめでとうございます。
ご活躍を遥か西より祈念しております。
お三方にはコメントをいただきありがとうございました。
まとめてレスという形で失礼させていただきます。
>stochinaiさん
ローライズパンツの話については、本日(4月1日付)のエントリで改めてコメントしましたので、そちらを持ちましてレスとさせていただきます。
院生の問題ということですが、複数スーパーバイザーによる集団指導体制というのは確かに有効な対処法だと僕も思います。マンツーマンの徒弟制度のようなシステムになっていること自体が、何か問題があった時にお互い逃げ道を失う状況を招いているような気もします。現役の教員でいらっしゃるstochinaiさんのコメントは大変参考になりました。ありがとうございます。
>shokou5さん
S先生の対処ですが、あれほどの一般向け活動もしておいでなのでおそらく顧問弁護士(=代理人)のような人がいるのではないでしょうか。
それはさておき、脳の問題というのは一般世間でも関心が高いだけについつい一般的な(=高次機能に関連する)話題へと拡張してしまいがちですね。この辺は僕も普通の人とお話する際には気をつけているのですが・・・このあたりについても本日のエントリでふれておきましたので、ぜひご覧ください。最後に、励ましのお言葉ありがとうございます。そのうちどこかの学会でお会いするかもしれませんね。その時にはよろしくお願いします。
>Koikeさん
すみません、長らくご無沙汰してました。:lase: またいつかどこかでdiscussionしましょう。こちらにおいでの際はぜひ連絡ください。ありがとうございました。
澤口教授、セクハラで免職処分…
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/2 (more…)