口てい疫が発生した場合に自治体が適切に対応できるか検証するため、先月、全国一斉の訓練が行われましたが、畜産関係の車両の通行量を考慮せずに設定された消毒ポイントが8割に上るなど、多くの自治体で発生への備えが不十分なことがわかりました。
訓練は先月、農林水産省が各都道府県の口てい疫対策を検証しようと行ったもので、発生の状況をすばやく把握できるかや、消毒ポイントの設定が適切に行われたかなど、初動の対応を中心に確認しました。その結果、6つの自治体が、周辺農場で飼育されている家畜の数の把握に手間取ったほか、処分した家畜を埋める土地が確保されているか、把握していなかった自治体も10ありました。また、全国のおよそ1200の消毒ポイントのうち、畜産関係の車両の通行量を考慮せずに設定されたのが、8割を超える960か所余りに上っていました。さらに、36の自治体では、休日や深夜に消毒薬を調達するための連絡態勢が整っていないなど、多くの自治体で態勢が不十分なことがわかりました。農林水産省では、口てい疫の感染の拡大を防ぐには、日ごろの備えが重要だとして、今回の反省を踏まえてさらに訓練を重ね、発生に備えたいとしています。