2010年10月26日8時59分
ホットケーキやパウンドケーキを週に1個食べるだけで、幼児ではアルミニウムの取りすぎになってしまう場合があることが東京都健康安全研究センターの調べでわかった。アルミを含む膨らし粉(ベーキングパウダー)が原因らしい。神経系などに影響を与える可能性があり、摂取量を減らす対策が必要としている。
同センターの植松洋子食品添加物研究科長らは、市販されているホットケーキミックス粉6種、クッキー、ドーナツなどの焼き菓子57種など107の製品を検査。ミックス粉3種、焼き菓子27種からアルミを検出した。これらの製品は、膨張剤やベーキングパウダー使用と表示があった。
ミックス粉では1グラムあたり最大0.53ミリグラム、焼き菓子ではパウンドケーキやスコーンで最大0.37ミリグラムだった。この場合、ホットケーキ1枚(粉で約50グラム)にアルミ約27ミリグラム、パウンドケーキ一切れ(約50グラム)で同約19ミリグラム含まれる計算になる。
世界保健機関(WHO)などが定める1週間の暫定耐容摂取量(PTWI)は、体重1キロ当たり1ミリグラム。体重16キロの幼児では16ミリグラムになり、ホットケーキ1枚で1.7倍になる。
ただし似たような製品でも含有量に大きな差があり、検出されないものもあった。使っている膨張剤の成分の違いによるらしい。
アルミの人間への影響はまだわかっていない。動物実験では生殖器や発達中の神経に変化が現れるなどの影響が出ている。
WHOなどは2006年に、これまでの想定より少ない量で影響が生じるかもしれないという調査結果に基づき、PTWIを7ミリグラムから現行の1ミリグラムに引き下げている。