〈独走第36弾〉そしてまたも旧田中派が潰された
数多の政権を葬り去ってきた検察という名の「権力の暴力装置」=本誌政界特捜班
(SAPIO 2009年4月22日号掲載) 2009年4月27日(月)配信
<「裏金疑惑」封印で手を握った小泉と検察>
そして、政治史上、最も検察への影響力が強かったと言われているのが、実は01年に誕生した小泉政権である。
きっかけとされるのが、検察を揺るがせた裏金問題だ。検察幹部の調査活動費を流用した裏金づくりが内部告発で発覚すると、検察首脳部は疑惑隠しに走る。小泉内閣発足直後の01年12月、時の原田明夫・検事総長は疑惑はない≠アとを印象づけるために問題の幹部を福岡高検検事長に昇格させる人事を内定し、小泉首相は人事を承認して疑惑の封印に力を貸した。
「これで小泉首相は検察首脳部に大きな貸しをつくった」(法相経験者)のである。
それからの検察はまるで小泉政権のための捜査機関と化したかのような動きを見せた。
当時、小泉首相は党内基盤が弱く、自民党では反小泉の野中広務を中心とする旧竹下派が小泉おろし≠フ機会をうかがっていた。最初に検察の標的となったのが野中の腹心で、田中眞紀子外相とバトルを展開した鈴木宗男だった。特捜部は02年6月、鈴木を斡旋収賄容疑で逮捕する。
その田中も外相を更迭されると小泉批判の急先鋒となり、内閣支持率は30%台まで急落した。そこに田中の秘書給与疑惑が発覚、詐欺容疑で告発され、議員辞職に追い込まれた(検察は不起訴処分)。
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