日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの社会ページです。



ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画アーカイブズ

QAなう


  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 社会
  3. 政治ニュース

北海道5区補選、菅首相応援なく完敗

 菅改造内閣発足後、初の国政選挙となった衆院北海道5区補選が24日、投開票され、自民党前職の町村信孝元官房長官(66)が、民主党新人の中前茂之氏(38)らを破り、09年衆院選で失った選挙区の議席を奪還した。歴代首相は補選の応援に入ってきたが、菅直人首相(64)は見送った末の敗北。大将が前面に立たず、事実上の不戦敗だ。国会論戦でも精彩を欠き、失点挽回(ばんかい)の機会にはならなかった。投票率は53・48%で、昨年の衆院選を22・84㌽も下回った。

 菅氏は7月の参院選大敗に続き、首相就任後の国政選挙で2連敗を喫した。北教組事件をきっかけに実施された補選。告示直前には、政治資金問題をめぐり小沢一郎元代表が強制起訴の議決を受けた。「政治とカネ」から逃れられない民主党に突きつけられた「直近の民意」は、敗北という厳しい現実。序盤から劣勢が伝えられ、当初検討された菅氏の北海道入りも最後まで実現されずに終わった。

 補選の応援に首相が入らないのは珍しい。最近(05年以降)の補選で、選挙区入りしなかったのは菅氏だけだ。公認決定が今年8月と出遅れ、圧倒的に知名度不足だった中前氏陣営では、菅氏の応援への期待もあったが、党は「応援に行って勝てなければ、求心力に影響する」(関係者)と、守りに終始。現地入りには慎重な意見が多かった。

 結局、陣頭指揮を執った岡田克也幹事長ら党幹部、蓮舫行政刷新担当相ら閣僚がフル回転で応援に入ったが、大将・菅氏の登場は最後までなし。「政治とカネ」に触れたくなかったのか、「失言防止」だったのか。いずれにしても、首相が最前線で戦わずに敗れたことで、逃げた印象は否めない。鳩山由紀夫前首相は訪問中のベトナムで、現地入りしなかった菅氏の対応について「勝ち負けを度外視して全力投球すべきではなかったか」と批判した。

 菅氏は、臨時国会の論戦で仙谷由人官房長官に主役の座を奪われ、答弁でも精彩を欠く場面が多い。補選も落とし、悪循環に陥っている状態だ。間もなく、与野党ねじれ国会で、難航が予想される10年度補正予算案審議が始まる。勝利した自民党など野党は勢いづいており、菅氏の政権運営は一層厳しくなりそうだ。

 選挙戦では、民主党政権の実績アピールに多くの時間が費やされたが、今回の「政治とカネ」に対する有権者の見方がまだ厳しいことが、はっきりした。「勝てば『政治とカネ』のみそぎが済んだとして、小沢グループが巻き返す可能性もあった。負けで、小沢氏らの動きを封じることになる」(関係者)と、負け惜しみのような声もあるが、今後小沢氏の国会招致を求める声が強まるのは確実だ。菅氏が抱える懸案は増える一方で、補選が終わっても逆風がやむ様子はない。

 [2010年10月25日9時41分 紙面から]


関連ニュース




キーワード:

町村信孝




社会ニュース

記事バックナンバー


政治ニュース

記事バックナンバー


経済ニュース

記事バックナンバー


国際ニュース

記事バックナンバー





この記事を読んだ人は以下の記事も読んでいます





日刊スポーツの購読申し込みはこちら

  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 社会
  3. 政治ニュース

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/STATS LLC

ここからフッターナビゲーションです