町村氏生き残った！背水の陣で10度目当選

　菅改造内閣発足後、初の国政選挙となった衆院北海道５区補選が２４日、投開票され、自民党前職の町村信孝元官房長官（６６）が、民主党新人の中前茂之氏（３８）らを破り、０９年衆院選で失った選挙区の議席を奪還した。

　町村氏は昨年の衆院選で小林千代美前衆院議員が得た選挙区の議席を奪い返し、１０度目の当選を果たした。２４日夜、投票締め切りと同時に当確が出て、選挙事務所で「これが、直近の民意だ。自民党も私も新しいスタートを切った」と決意表明。「民主党の『政治とカネ』への鈍感さ、（問題を）隠そうとする体質に反発があったと思う」と指摘し、万歳ではなく「頑張ろう」を三唱した。

　官房長官などを歴任した重鎮。比例北海道ブロックの議席を返上しての出馬で、生き残りをかけた背水の陣だった。与党時代はほとんど選挙区に戻らず「初めての選挙らしい選挙」（陣営幹部）。「勝って当たり前」といわれたが、演説１日数十カ所のどぶ板選挙を展開、「不遜（ふそん）」といわれた大物ぶりも封印し、低姿勢に徹した。小泉進次郎衆院議員ら若手の応援まで受け、再任されたばかりの谷垣禎一総裁の初陣を白星で飾った。谷垣氏は党本部で会見し「有権者は的確な判断をした」と強調した。

　［2010年10月25日9時41分　紙面から］