したたか公判テク披露…あの結婚サギ女が完黙のワケ

2010.09.03

 6人の男性の不審死をめぐり殺人罪で追起訴され、拘留中の木嶋佳苗被告(35)が、警察の取り調べに対し、ある有名事件のセリフを参考に「完黙」(=完全黙秘)を貫いていることが分かった。木嶋被告は逮捕前から、国内外の著名殺人事件の公判を調べ上げていたことも判明。“長期戦”が確実の公判で、本気で無罪を勝ち取るつもりのようだ。

 木嶋被告は現在、埼玉県警川越署の留置施設に勾留されている。捜査関係者によると、雑談には応じるものの、事件に関する質問には「お答えすることはありません」の一点張りだという。

 「このセリフは、1980年代に札幌市で発生した『城丸君事件』で、当時、殺人罪で起訴されながら黙秘を貫いて公判で無罪を勝ち取った当時29歳のホステスとまったく同じです。木嶋被告も同じ北海道の生まれですから、もともと興味があったのかは分かりませんが、逮捕前からこの事件を詳しく調べ上げて、知人との雑談の中でも顛末を話題にしていたようです」(捜査関係者)

 城丸君事件とは1984年1月、札幌市の小学生、城丸秀徳君(当時9)がホステスの住むアパートで行方不明となり、その後、ホステスの嫁ぎ先の納屋から白骨遺体が発見された事件だ。

 公訴時効目前の98年11月に逮捕されたホステスは黙秘を貫き、検察側は殺人罪を立証できないまま、2002年3月に無罪判決が確定。一審・二審とも「(ホステスが)重大な犯罪行為で城丸君を死なせた」と認定したにもかかわらず無罪を勝ち取ったことから、ホステスは当時、『完黙の女』と呼ばれ世間の注目を集めた。木嶋被告も、これを目指しているというのだ。

 「木嶋被告は城丸君事件以外にも、豊田商事事件や大手連鎖販売取引企業に関する名誉棄損裁判、英国で10歳の少女が男児2人を殺害した『メアリー・ベル事件』や全米で300人以上を殺害した『ヘンリー・リー・ルーカス事件』などを調べていた形跡があります。逮捕後の今年5月には、大阪・淀川で発生した保険金殺人事件にも興味を示していました」(同)

 これらの事件について木嶋被告は、逮捕前に交流があった複数の知人にも“知識”を披露していたという。当時から自分の逮捕後を予見し、殺人罪や名誉棄損に関する備えをしていた可能性が高い。

 昨年9月の結婚詐欺容疑での逮捕からすでに1年が経過。取り調べには完黙を貫く一方、接見する担当弁護士とは公判に向けて着々と準備を進めているとみられる。その公判は、最低でも年内をめどに、鳥取県内で6人の男性の連続不審死にかかわったとされる上田美由紀被告(36)の公判開始の直後を目指して開かれる見込みという。

 

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