連続不審死、数週間前に七輪購入　青梅男性殺害容疑で木嶋被告に逮捕状

　埼玉県などの連続不審死事件で、殺人罪などで起訴された木嶋佳苗被告（３５）が、東京都青梅市の会社員、寺田隆夫さん＝当時（５３）＝の殺害に使用したとみられる七輪を、事件数週間前に購入していたことが２５日、捜査関係者への取材で分かった。少なくとも数週間前には殺害を決意していた可能性がある。警視庁捜査１課は同日、殺人容疑で木嶋被告の逮捕状を取っており、身柄移管手続きを終え次第、週内にも再逮捕する。

　捜査関係者によると、木嶋容疑者は、昨年１月上旬に、インターネットを通じて七輪３個を購入。その後さらに３個を追加購入していた。七輪や練炭は木嶋容疑者の自宅に届けられたが、寺田さんが死亡する直前の同月下旬に、これらが入ったとみられる段ボール３箱を宅配便で寺田さん方に送っていた。

　寺田さん方に届いた宅配便の受取書類には「寺田」とサインがあったが、筆跡が木嶋容疑者のものと酷似していることが、捜査１課の調べで判明。捜査１課は殺害を決意した木嶋容疑者が、機会をうかがって運び入れたとみている。

　捜査関係者によると、木嶋容疑者は昨年１月３０〜３１日ごろ、青梅市東青梅のマンション２階の寺田さん方で練炭を燃やし、寺田さんを一酸化炭素中毒で殺害した疑いが持たれている。

　発見時、窓や玄関ドアはすべて施錠されており、木嶋容疑者が青梅署に対し、「（寺田さんは）『結婚できないなら死にたい』と言っていた。すでに別れた」と説明したことなどから、自殺と判断、司法解剖していなかった。

　木嶋容疑者は千代田区の会社員、大出嘉之さん＝同（４１）＝を殺害したとして殺人罪に問われ、さいたま地裁で公判前整理手続きが行われている。