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中井貴一、故小林桂樹さんに惜別誓い

 多数のパネルとトロフィーが飾られた小林桂樹さんの祭壇=東京・千代田区
 多数のパネルとトロフィーが飾られた小林桂樹さんの祭壇=東京・千代田区

 9月16日に心不全のため86歳で亡くなった俳優の小林桂樹さんのお別れ会が24日、都内で行われ、俳優の津川雅彦(70)、中井貴一(49)、女優の八千草薫(79)ら350人が出席した。83年に映画「父と子」で小林さんと父子役を演じた中井は「デビュー当時から数々お世話になりました。僕があちらに行った時に恥ずかしくないよう、役者道を貫きたい」と遺影にあいさつ。役者の道へと導いてくれた“父”へ、惜別の言葉を送った。

  ◇  ◇

 「あれから約30年。“顔の不自由な男”は代理店に就職することなく、俳優をやってくることができました‐」

 あいさつに立った中井は言葉をかみしめるように“父親”へ報告した。

 81年にデビューした中井は83年の映画「父と子」で小林さんと共演、父子役を演じた。当時自身の進路を俳優に決めるか悩んでいた中井を、小林さんは40日の撮影中毎日夕食に連れ出し「君は顔が不自由だから、顔の仕事は厳しい。就職先なら広告代理店を紹介できるよ」と説いたという。

 しかし、最終日になると「君には俳優になってもらいたいんだ。アウトローがうける時代が必ず来るから、その王道を歩いてもらいたい」と本音を明かし激励したという。

 中井は「自分があちらに行ったときに小林さんに恥ずかしくないよう役者道を貫きたい」と優しく微笑む遺影に誓った。

 祭壇には「裸の大将」や「社長シリーズ」など、昭和の名シーンとなる小林さんの芸能活動をたたえる出演作のパネル写真が並び、また、ブルーリボン賞、毎日映画コンクールなど数々の受賞トロフィーが飾られた。

 小林さんと親交の深かった津川は「とてもまじめだがアウトロー精神に富んだ人。『役者』と言える俳優がどんどんいなくなっていくのが寂しい」と、一本気に役者として生きた名優の死を悼んでいた。

(2010年10月25日)

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