「フィギュアスケートNHK杯第2日」(23日、名古屋市ガイシプラザ)
女子はショートプログラム(SP)で2位だった15歳の村上佳菜子(中京大中京高)が、フリーのジャンプで3度転倒しながら合計150・16点で3位に入り、シニア国際大会デビュー戦で初の表彰台に立った。SP8位と出遅れたバンクーバー五輪銀の浅田真央(20)=中京大=はミスを連発し、133・40点でGP自己最低の8位。カロリナ・コストナー(イタリア)が優勝した。男子SPは同五輪銅メダルの高橋大輔(関大大学院)が首位で発進した。
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控室で号泣した15歳は、会見場ではもう笑顔を見せていた。ミス連発でフリー5位。それでもSPとの合計得点は3位。初挑戦のシニア国際舞台で、目標の表彰台。悔しさと喜びが入り交じる複雑な心境だった。
「メダルはちょっと重いですね。表彰台はすごくうれしい。でも満足できない出来。次は出来も良くて、表彰台に入れるように頑張りたい」
冒頭の3回転‐3回転の連続ジャンプに成功。その後は2回の転倒など5つのジャンプが減点対象となった。「すごい緊張しちゃいました。3回転3回転は自信があったので大丈夫でしたが、その後思うようにできなかった」と打ち明けた。
初体験の重圧が、155センチの体に容赦なくのしかかった。ジュニアとシニアではフリーの演技時間が30秒も違う。「靴を脱いでストレッチしてみたり、音楽を聞いたけど。待ち時間が長かった」。試行錯誤したが緊張感は募った。
山田満知子コーチは「練習でもあれだけミスはしない。演技する前に『ダメだ。緊張する。どうしよう』って泣きだしそうだった。どうやって緊張を力に変えるかが課題かな」と明かした。
NHK杯は小学校の時、ファンから投げ込まれるプレゼントを集める花束ガールをやった思い出の大会だ。「外国人の選手にギュッとされた。その大会に出られるのは夢みたい」。夢見ていた舞台で表彰台に立った。
次は11月12日開幕のスケートアメリカ(ポートランド)。結果次第ではGPファイナル進出も十分あり得る。「フリーがダメだったことが悔しい。緊張したことはいい勉強になった。もっともっといっぱい練習して次はいい演技をしたい」。氷上のアイドルは、着実にスターへの階段を上っていく。