何が何でも即戦力じゃ!広島が今月28日に行われるドラフト会議で、外れ1位でも競合を覚悟していることが24日、明らかになった。即戦力投手の獲得を目指し、外れ1位には八戸大・塩見貴洋投手、法大・加賀美希昇投手、東京ガス・榎田大樹投手、大阪ガス・岩見優輝投手らを候補にリストアップ。早大・斎藤佑樹投手、大石達也投手ら入札必至の1位が外れた場合にも、リスクを回避せず即戦力獲りへ果敢にチャレンジする。
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広島が、外れ1位もリスク覚悟で攻めて獲る。すでに絞り込んでいる1位候補の早大・斎藤、大石、福井、中大・沢村、仏教大・大野といった“S級投手”を競合で外した場合も、どん欲に即戦力投手獲りを目指す。
苑田スカウト部長は「チーム方針、チーム事情からして即戦力投手を補強するのは当然」と明かした。外れ1位には八戸大・塩見、法大・加賀美、東京ガス・榎田、大阪ガス・岩見ら他球団でも上位候補に挙がる投手らをリストアップした。
最近2年は08年に岩本(亜大)、09年には今村(清峰)の単独指名に成功した。ここ10年での3球団以上の競合は99年、入札に成功した河内(3球団)、07年に楽天が獲得した長谷部(5球団)、外れ1位の入札で交渉権を獲得した篠田(3球団)と計3回だ。
これまでは主に将来性の高い選手を指名してきたが、投手豊作と言われる今年は誰もが認めるいい素材を見逃すわけにはいかない。球団関係者は「現場、ファンのためにも、挑戦です。外れても、もう一回チャレンジという姿勢は持っている」と語る。今回は将来性、伸びしろに重点を置くのではなく、来季開幕1軍入りができる投手を最優先に指名する。
現場も、複数球団が競合してでも即戦力投手の補強を希望する点で一致。野村監督は「どういう選手がいいかは大野(ヘッド兼投手コーチ)さんとも話はしている」と話し、ドラフト前日のスカウト会議や当日28日のドラフト直前の会議にも出席し、要望を伝えるつもりだ。
1位、外れ1位とも競合の可能性があるだけに、他球団との情報戦などすでに戦いは始まっている。今季はリーグワーストの防御率4・80と投手力の底上げが必要不可欠だ。「一にも二にも投手の底上げ」と野村監督。人事を尽くし、後は当日、野村監督のくじ運に託す。