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高橋ぶっちぎりV!世界連覇へ好発進

 NHK杯で優勝した高橋大輔のフリー=名古屋市ガイシプラザ
 NHK杯で優勝した高橋大輔のフリー=名古屋市ガイシプラザ

 「フィギュアスケートNHK杯最終日」(24日、名古屋市ガイシプラザ)

 男子フリーは高橋大輔(24)=関大大学院=が圧勝した。冒頭の4回転ジャンプを完ぺきに決め、圧巻の表現力で加点。2位に13点近い大差をつけてフリー1位となり、1位だったショートプログラム(SP)での点差をさらに広げた。07年11月のNHK杯(仙台)以来3年ぶり3度目の優勝を果たし、織田信成(関大)と並ぶ日本男子最多のGP5勝目を挙げた。シニアデビュー戦の羽生結弦(15)=東北高=は4位。SP9位の無良崇人(20)=中京大=は6位だった。

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 圧倒的なステップに、耳をつんざく大歓声が響いた。決めのポーズをほどいた高橋は笑顔で手を振った。圧勝で3年ぶりのGPシリーズ制覇。連覇を目指す3月の世界選手権(東京)へ順調な仕上がりを披露した。

 「GP初戦としてはまずまず。課題は多いけど、前回(ジャパンオープン、2日)よりステップアップしている。試合で続けていけたら最後は素晴らしいプログラムができる」。好感触を口にした。

 冒頭の4回転トーループを完ぺきに決めた。アルゼンチンタンゴの歯切れのいいリズムに乗って、メリハリのある大胆なステップを刻んだ。芸術的要素を示す5項目の演技構成点は全項目でトップ。全選手を通じて高橋だけが記録した8点台は4項目に及んだ。

 今季のフリー曲は12の候補の中からタンゴを選択。SPのマンボは「暑苦しく、ウザいくらいに」がテーマだが、タンゴは「グッとくる、というか、シリアスな面を出したい」という。

 振付師のパスカーレ・カメレンゴ氏は「ドラマチックに演じてほしい」と話す。昨年に続く指導を「いろんな課題に挑戦させることが変身につながれば。彼はプログラムを解釈し表現する能力を持っている。アーティストとしての極みを目指してほしい」。提供したプログラムに、進化のエッセンスを詰め込んだ。

 08年11月に右ヒザを手術。経過は良好で、長光歌子コーチも「関節が柔らかくなった分、ジャンプのコントロールがつきにくくなっている。でも、そういう宿題も残して(今大会は)評価を得た」と合格点だ。

 「ステップ、スピン、つなぎ。甘いところはたくさん。もっと変わっていくべきだと思う」と、日本が誇る世界王者は誓う。2年連続の頂点へ、さらなる高みを求めていく。

(2010年10月26日)





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