広島・李忠成　リーグ５戦連発

　エースの不在をカバーしたのはまたもＦＷ李忠成だ。前半４３分、ＭＦ森崎浩のミドル弾をＧＫがはじく。そのこぼれ球を頭で押し込んだ。不動の１トップだったＦＷ佐藤が右肩負傷で離脱した９月以来、リーグ５戦連発の６得点。ナビスコ杯準決勝の１得点も含めれば公式戦６戦７発だ。

　「ずっとチャンスが欲しい、欲しいと言い続けてきて、自分で言うのもなんだけどここまで出ることができた」。その一方で、次節の横浜Ｍ戦で復帰可能な佐藤を押しのけるつもりもない。「２トップでもボクがシャドー（１・５列目）でもとにかく試合に出たい。寿人さんと一緒に」とリスペクトを欠かさない。

　ただし、２人の点取り屋の共存について、ペトロビッチ監督は「それなら監督を代えるしかない。李を代えても代えなくても『なぜ李を下げる？』『なぜ寿人を出さない？』とみんな言うだろ。われわれのサッカーは他とは違うのだから」とはぐらかした。１１月３日にナビスコ杯決勝を控えるだけに、次戦の采配（さいはい）が注目だ。　（上條憲也）