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【サッカー】鹿島 4連覇あきらめない2010年10月25日 紙面から
各地で4試合を行い、2位の鹿島はホームで横浜Mと対戦し、FW興梠慎三(24)の2発で横浜Mを2−0で下し、4試合ぶりの白星を飾った。逆転での4連覇に向け、首位の名古屋との勝ち点差8を守った。3位のG大阪は京都に2−1で競り勝った。広島はFW李忠成(24)の5試合連続ゴールなどで湘南に快勝し、勝ち点42で7位に浮上した。最下位の湘南は14試合連続白星なし。川崎は2点のリードを守り切れず大宮と引き分け、勝ち点45で5位。 左足で技あり、右足で強弾。雨の舞うカシマでFW興梠が11カ月ぶりの1試合2発。いずれも今季リーグ初先発のMF本山のヒールパスを沈めた。「モト(本山)さんにボールが入った瞬間、いい所に走れば(ラストパスは)出てくる」。勝利を導いたのは勝負どころで感じ合う連係だった。 前半36分、敵陣左サイドで本山がパスを受ける。一呼吸置いて、右かかとで鋭角なスルーパス。追いすがるDF栗原が「届いたと思った」両足タックルの上、猛ダッシュで寄せるGK飯倉の体の上を、興梠は冷静に突き、仕留めた。間隙(かんげき)を縫うパスと絶妙ループは、合致したイメージの結晶だった。 3分後、2人は再び共鳴し合う。同39分、小笠原から縦パスが入ると、本山がノールックで右ヒール。「信じていた」興梠が急加速で走り込んで右足を強振すると、ゴールネットから水しぶきが上がった。本山はうなった。「慎三の動きとフィニッシュ能力の高さ」。勝敗はここで決した。 マルキーニョスが出場停止。オリベイラ監督が敷いたのは、鹿島では異例とも言える「4−2−3−1」。急ごしらえの布陣であっても、修正可能な「あうんの呼吸」が名古屋猛追の原動力になる。残り7戦、勝ち点8差。07年シーズンは残り5戦で勝ち点10差をひっくり返した。「残り全試合勝つだけ」と興梠。まだ、不可能を口にする差ではない。 (松岡祐司)
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