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イージス艦事件、取り調べメモを廃棄 海上保安官が証言

2010年10月25日20時45分

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 海上自衛隊のイージス艦「あたご」が漁船と衝突した事故の捜査を巡り、第3管区海上保安本部が、あたごの当時の水雷長の長岩友久3佐(37)の取り調べ内容を記録したメモを廃棄していたことがわかった。25日に横浜地裁であった長岩3佐らの業務上過失致死罪などでの公判で、捜査段階で取り調べを担当した海上保安官が証言した。

 証言によると、保安官は2008年6月に長岩3佐が書類送検された後、取り調べのメモや長岩3佐が描いた船の位置関係についての図面を廃棄した。保安官は「内容はすべて了解を得て調書にし、自分の判断で廃棄した」と説明したが、「(今から見ると)認識が甘かった」とも述べた。弁護側は閉廷後の取材に「調書は取調官による誘導や整理で、事故直後の生の証言と異なっている」と批判した。

 3管本部の大江昇・刑事課長は「必要な証言や証拠はすべて調書やその添付書類として保存しており、メモの廃棄は問題ない」と話している。

 取り調べメモを巡っては警察官のメモの証拠開示を命じた最高裁判例があり、最高検は公判で争いになる可能性がある場合はメモを保管するよう全国の地検に通知。厚生労働省元局長らをめぐる郵便不正事件の捜査でも、検察官がメモを廃棄していたことが問題になった。

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