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中国の「反日感情」報道は本当か? 上海在住の日本人に聞く

週プレNEWS 10月22日(金)16時49分配信

 尖閣諸島問題に端を発する日中関係。中国側は、レアアースの輸出禁止などの報復措置をはじめ日本政府に対し強固な姿勢を崩さず、民衆の間でも反日デモが頻発している。

 現在7〜8万人といわれる上海で働く日本人は、こうした状況をどう見ているのだろうか。

「事故のことはネットのニュースで知っていましたが、日本から『大丈夫か?』とメールが来て、正直なところ『えっ、何が?』って思いました」

 こう話すのは、上海で焼酎バーを経営する村上栄一さん。中国は広く、官制報道下でも反日バリバリの人から日本好き、ノンポリまで様々な人がいるのに、中国がまるで反日一色のように報道されるのが残念と言う。

 長楽路という若者の街でセレクトショップを経営する神俊貴さんは、「僕自身は仕事でもプライベートでも影響は受けていないですね。中国人との知人との間では話題にはなりましたけど、僕が日本人だからか、『中国がバカなことやっちゃって』という気を使った言い方をされました」と語る。

「日本人が思っているほど中国人は日本人のことを嫌っていない。事件のことも『争っていてヤバいよな』くらいの世間話にしかなりませんよ」(神さん)

 開催中の上海万博でも日本館の人気に陰りはなく、同館の広報担当者によれば来場者数も減っていないとのこと。
また、都市部の若者たちの間には政治への無関心が広がり、そもそも愛国的な行動をシニカルに見る層も多いという。

 もちろん反日感情がまったくないわけではない。北京で働く人の中には、「取引先の中国人が冷たくなった」(自動車製造業)という人もいるし、「どこの国の人?」と聞かれて「思わず韓国人と答えた」(エンジニア)という日本人もいた。

 前出の村上さんも「妻が、仲良くなった近所のおばあちゃんたちから無視されるのが悲しいと言っている」と話す。しかし、日中双方の報道の過熱ぶりに比べれば、中国で働く日本人のほとんどが「たいした影響はない」と感じて冷静に生活しているのが実態のようだ。

「中国の報道は確かに偏っていますが、多くの中国人は『何か裏がある』とメディアを懐疑的に見ています。逆に、日本人の方が中国報道を鵜呑みにしがち」と語るのは上海のレストラン予約代行会社に勤める桑原純平さん。

 どうやら中国が「反日一色」という報道は、広い中国におけるある側面でしかない模様。私たち日本人が熱くならないことを心がけることが大切のようだ。

(取材/須藤みか)

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最終更新:10月22日(金)16時49分

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