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【大リーグ】

ジャイアンツ8年ぶりWSへ 6投手リレーでフィリーズ撃破

2010年10月25日 紙面から

 絶対王者をチーム一丸で撃破−。23日(日本時間24日)ナ・リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)第6戦が行われ、ジャイアンツ(西1位)がフィリーズ(東1位)を3−2の接戦で破り、4勝2敗として8年ぶり18度目のワールドシリーズ(WS)進出を決めた。ボウチー監督はエースのティム・リンスカム投手(26)を中継ぎで投入するなど、6投手をつぎ込む継投で快勝。ジャイアンツとア・リーグ覇者レンジャーズの顔合わせとなったWS(7回戦制)は27日(同28日)にジャイアンツの地元サンフランシスコで開幕する。

 最後は「守護神VS主砲」のシビれる場面が用意された。1点リードの9回2死一、二塁で迎えたフルカウント。守護神ブライアン・ウィルソン(28)が4番ハワードに対し、全身全霊を込めた外角スライダーを投げ込む。バットがピクリとも動かず球審の手が上がった瞬間、球場を埋め尽くした地元ファンから絶望にも似た悲鳴…。その後に訪れた静寂の中、守護神とポージーが歓喜の抱擁。三塁ベンチから飛び出した選手はマウンド付近で喜びを分かち合った。

 「全員が勝利に貢献してくれた」。ボウチー監督は相好を崩した。王手をかけて敵地に乗り込んだ第6戦。指揮官は積極的にタクトを振り続けた。先発J・サンチェスが制球難で2点を失い3回も連続四死球を与えると、すぐさま2番手にアフェルトを投入。これがピタリと的中した。ハワード、ワース、ビクトリノを仕留めて無失点。2イニングをピシャリと封じると、5回からバムガーナー、7回からロペスへとバトンをつないだ。

 「大事な試合だった。サンチェスが苦しんだがブルペン陣がカバーしてくれた」。ボウチー監督は中継ぎ陣の奮闘で勝利のにおいを感じ取る。8回にはウリベが右翼席に勝ち越しソロ。すると指揮官はその裏から迷わずエースのリンスカムを中1日で中継ぎ登板させた。それだけではない。リンスカムが連打を許すとすぐさま交代。今度は守護神ウィルソンを投入し、ピンチをしのぎきった。

 優勝争いのため大物FA選手獲得に動くチームも多い中、ジャイアンツは生え抜きの投手育成を強化。その象徴でもあるリンスカムは「ボクたちは守備と投手を中心にチーム作りをしている」と胸を張った。今シリーズでもリーグトップの防御率を誇る投手陣が踏ん張り、下馬評を覆してのフィリーズ撃破だ。

 「本命視されていたかどうかなんて気にしちゃいない。大切なのは自分たちの力を信じることだ」。シャンパンファイトでほおを赤らめたボウチー監督が、誇らしげに胸を張った。

 

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