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反日デモ、公然と反政府も「腐敗官僚倒せ」「住宅高い」(2/2ページ)

2010年10月25日23時31分

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写真:宝鶏市内にある大学は25日、校門が封鎖され、警備員が出入りを厳しくチェックしていた=峯村写す宝鶏市内にある大学は25日、校門が封鎖され、警備員が出入りを厳しくチェックしていた=峯村写す

写真:宝鶏市郊外に昨年できた開発区。市庁舎やホテルなどの建設ラッシュが続く=峯村写す宝鶏市郊外に昨年できた開発区。市庁舎やホテルなどの建設ラッシュが続く=峯村写す

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 市郊外には昨年、21平方キロの開発区が完成。市の新庁舎や博覧会会場、高級ホテルが立ち並ぶ。昨年12月から西安市とを時速250キロで結ぶ高速鉄道の建設も始まった。

 急速な開発にともなって地元官僚による汚職が絶えない。高速鉄道の土地収用をめぐり、地元の村幹部が補償金を横領する事件が起きた。ネット上にも、地元裁判官や政府幹部による高額な汚職疑惑の告発が絶えない。

 不動産価格の上昇も深刻だ。地元不動産業者によると、住宅価格は数年前と比べて、2倍以上になっている。市内の労働者の給与は月2千元(約2万6千円)前後と上がっておらず、この業者は「持ち家を買える一般市民はほとんどおらず、官僚や企業関係者が多い」と話す。

 中国政府は、3軒目以降の住宅ローンや新規住宅の購入を規制して、不動産価格を抑えるのに躍起になっている。だが、今年7〜9月の都市部の不動産価格は前年同期より36.4%上昇した。宝鶏のような中核都市にも波及しており、物価高も深刻だ。中国政府関係者は「地方都市のデモは、『反日』の看板を借りた政府批判の色合いが出てきている」と危機感を抱く。

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