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きょうのコラム「時鐘」 2010年10月26日
週末からの日本シリーズで、プロ野球は1年を終える。日本一を争う大一番だが、1、2戦は地上波の全国中継がない、と報じられた
衛星放送やケーブルテレビではちゃんと見られる。騒ぐほどのことはないのだろうが、全国中継しても高い視聴率が望めないというから、最強の戦いも軽くあしらわれた。テレビは、実力よりも人気を好むようである 大相撲の中継を始めるとき、反対論が協会にあったそうである。テレビに客を取られてしまい、場所がガラガラになる。歌舞伎や寄席の舞台中継にも、同様の誤解があったという笑い話が残る。プロの技に生で触れる機会が乏しい北陸のファンには、茶の間を上等の観客席に変えてくれる魔法の箱である が、功あれば罪もある。中継時間切れで熱戦が突然画面から消えるあのイライラも、野球観戦の副産物として味わった。今度の全国中継なしも、あれと似ている 実力よりも人気。だからといって、テレビの人気者の実力を軒並み疑うのは失礼が過ぎよう。が、そう思わせるタレント諸氏に加え、当節は同様のテレビ大好き政治家の顔も結構浮かぶ。 |