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1250年ぶり幻の宝剣と判明 東大寺大仏足元出土の2本

 聖武天皇ゆかりの品として光明皇后が献納後、約1250年間にわたり行方不明だった陽宝剣(上)と陰宝剣の柄=25日午後、奈良県生駒市の元興寺文化財研究所保存科学センター
 聖武天皇ゆかりの品として光明皇后が献納後、約1250年間にわたり行方不明だった陽宝剣(上)と陰宝剣の柄=25日午後、奈良県生駒市の元興寺文化財研究所保存科学センター

 聖武天皇が建立した東大寺(奈良市)の大仏足元から明治時代に出土した国宝の「金銀荘大刀」2本が、約1250年間にわたり行方不明だった宝剣「陽宝剣」「陰宝剣」とエックス線調査で分かり、同寺と調査した元興寺文化財研究所(同市)が25日、発表した。

 光明皇后が天皇の遺品として東大寺に献納後、正倉院から取り出し、埋納したとみられるが、理由は不明。皇后からの献納品目録「国家珍宝帳」の武器リスト筆頭に記した貴重な宝剣で、正倉院研究の上でも画期的史料といえる。

 東大寺と正倉院事務所によると、六百数十点の献納物を記載した国家珍宝帳には、今回の宝剣を含め「除物」の付せんを張ってリストから外した宝物が7件あるが、所在が判明したのは初めて。

 「陽宝剣」と「陰宝剣」は鉄製で、長さはいずれも1メートル弱。さやは木製の漆塗りで金銀の金具で装飾されている。明治末期、作業用の柱を立てるために大仏の台座そばに穴を掘った際、右ひざ近くから出土。同時期に見つかった別の大刀、銀製のつぼ、水晶合子などとともに「東大寺金堂鎮壇具」として1930年に国宝指定された。







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