大宮‐川崎戦の入場者数と内訳を表示する電光掲示板=NACK5スタジアム大宮
「J1、大宮2‐2川崎」(24日、NACK)
07年からの入場者数水増しが発覚した大宮の渡辺誠吾社長(55)は、ホームでの川崎戦の試合前、来場者に謝罪した。試合は2点差を追い付きドロー。入場者数の発表は1万740人で、VIPや車いす観戦者などの内訳も公開する徹底ぶりだった。
優勝争いでは、2位の鹿島と3位のG大阪が勝ってともに勝ち点49とし、首位の名古屋との勝ち点差8を守った。
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試合の約1時間前、渡辺社長を含む、23人のクラブ職員がピッチに姿を見せた。渡辺社長は沈痛な面持ちで「ファン・サポーター、メディア、スポンサーや各クラブに対して許されない裏切り行為をして、深く深くおわび申し上げます」と、観客に頭を下げた。
実数での入場者発表が大型ビジョンに映ったのは0‐2から大宮が追いつき、盛り上がり続けた後半41分だった。『1万0740人』という表示の下に、入場ゲート通過者(1万0672人)VIP来場者(51人)車いす観戦者(17人)と詳細な内訳まで記載する異例の徹底ぶりだった。
今回が、NACK5スタジアムの使用を開始した07年11月11日から、51試合目で初の“実数発表”となる。さらに報道陣には、時間ごとの入場者数集計表まで公開し、透明性を強調した。
既に引責辞任が決まっている渡辺社長は「未来永劫(えいごう)かは確約できないが、今後も(内訳までの発表を)できる限り続けていきたい」。Jリーグに波紋を起こした不祥事だったが、「日本一クリーンなクラブを目指す」と再出発を誓った。
(2010年10月24日)