ホーム > タイガース > タイガース最新紙面記事

金本FA流出阻止せよ!オーナー厳命

 トレーニングを終え引き揚げる金本=鳴尾浜(撮影・山口 登)
 トレーニングを終え引き揚げる金本=鳴尾浜(撮影・山口 登)

 阪神・坂井信也オーナー(62)が24日、今年8月にFA権を取得した金本知憲外野手(42)の残留を厳命した。今季、不慮のアクシデントで右肩痛を抱えてプレーを続けた金本について同オーナーは「双方が歩み寄れる交渉でなければならない」と残留に向け、最大限に配慮することを示唆した。金本がFA権を行使すれば獲得に乗り出す球団の存在も出てきた中、今週中に「金本残留」の決着を目指す。

  ◇  ◇

 金本は来季も縦じまに袖を通すのか。既定路線と考えられていた主砲の阪神残留も、交渉がスムーズに運ぶことが大前提となる。今週中にも行われる初交渉を前に、坂井オーナーは改めて金本の残留を強く望んだ。

 「前から言ってるように、金本さんが来季も必要な戦力であることに変わりはありません」

 この日夕方、神戸市内で取材に応じた球団トップは、静かな物言いの中に熱い思いを漂わせた。

 金本が今年8月に3度目のFA権を取得後、メディアを通してラブコールを送ってきた同オーナー。交渉決裂という最悪の事態は避けたい。そんな危ぐもあってか、言葉を選びながら、交渉役に配慮を求めることを忘れなかった。焦点になりうる右肩の故障に関して、同オーナーは「色んな人の色んな話を聞いてからでないと、僕がこうだという方向性を示すことはできない」と前置きした上で「双方が歩み寄れる交渉でなければならない」と斟酌(しんしゃく)の必要性を説いた。

 開幕まで10日を切った3月の守備練習中に、同僚野手と激突した不可抗力のアクシデントが、右肩故障の直接原因となった。シーズンを通して全力プレーの妨げになった“公傷”を球団側がいかに査定するのか。

 球団関係者は「うちには公傷の制度がない」と説明するが、球団幹部の1人は「その辺は(交渉で)金本選手の顔を見てから」と対話重視の歩み寄りも示唆している。坂井オーナーは金本が虎再生の最大功労者という見方も忘れていない。事故で招いた重傷が、勤続疲労に起因する可能性について総帥は「そこは考えないといけない」と、言外に最大限の配慮をにじませた。

 金本はFA権の行使について自身の意思を明らかにしていない。今季は、右肩痛の影響で打率・241、16本塁打と不本意な成績に終わった。打席数は規定打席に到達しない396だが、仮に4番でフルイニング出場を果たした新井の641打席で換算すれば、26本塁打する計算にもなる。右肩痛で出場を続けたと仮定して、この数字。万全なら果たして…。

 タンパリングの関係で表向きは静観しているが、水面下で金本の調査を開始する球団の存在も出始めた。「野球に集中できる環境さえ整えれば、間違いなく活躍できる選手」。金本がFA権を行使すれば獲得調査を進めるという他球団関係者の発言だ。坂井オーナーが厳命する金本残留のシナリオは、今月中に決着を見るのか。

(2010年10月24日)

【関連記事】
金本 無休でリハビリ&筋力強化継続中
金本「さみしい」心に穴…誘いあれば…
虎、金本と“出張交渉”でFA流出阻止
安藤FA封印「まずは肩を治すこと」
2度目交渉していた…関本FAなら争奪戦








Copyright(C) 2010 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp