書斎魔神推薦 この映画を観ろ!

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書斎魔神が2ちゃんねるで発表した「スペシャルコメント付き作品リスト」です。
小説等は書斎魔神推薦 このミステリを読め!にまとめました。

目次

ウルトラセブン全49話寸評 || ウルトラマンダイナ || 映画の史上ベスト10 || 刑事コロンボ プロから見たベスト3 || 刑事もの || 殺ヲタ必見の映像作品 || 知識人が選ぶアニメ映画ベスト10 || 知識人が選ぶATG映画ベスト10 || 知識人が選ぶ怪談・ホラー映画ベスト10 || 知識人が選んだ原作がある映画 || プロが選ぶエンターティメント作品ジャンル別ベスト10(一応順不同) || 邦画ジャンル別ベスト10

ウルトラセブン全49話寸評

その1

このスレでウルトラセブン全49話の寸評を書くこととした。
スレ参加者(以後、受講生という)は、徒然草を読むような感じで、
ご愛読いただきたい。

第1話 姿なき挑戦者  評価C
ダンの登場から防衛軍入隊までが、あまりに唐突で不自然です。
初回の敵役クール星人も、2ちゃんねらーのような大言壮語で、
ヘタレそのものです。
ダンのキャラは、シリーズ中期以降の思索し葛藤に悩む人物のイメージ
が強いのですが、この初回を見る限りでは、小林旭の渡り鳥風の快漢という
感じがします。

第2話 緑の恐怖    評価B
植物系の怪獣・怪人は私の好みではないため、B評価にとどまりましたが、
オーソドックスな作りの侵略もの、サスペンスフルな一編です。
新婚旅行の電車の中でミカンを食べていて、新郎の手が植物化していくシーン
がなぜか印象に残っています。

第3話 湖のひみつ   評価A
番組の人気を決定付けた作品です。
星人中心のセブンには貴重な大怪獣エレキングは、ウルトラシリーズを代表する
モンスターになりました。
残念なのは、ピット星人役の女の子が非常にブスなことです。
この点は、萌えやすい2ちゃんねらーも納得がいかないでしょう。

その2

受講生からの要望に答え、先に問題に12話を論じることとしよう。

第12話 遊星から愛をこめて  評価Bマイナス
ホームビデオ普及以前に封印されたため、実際以上に傑作扱いされている気がする。
実相寺昭雄監督・佐々木守脚本作品であること、第一期ウルトラシリーズ2大ヒロイン
桜井浩子・菱見百合子共演作品であること等、一見ファンの食指をそそる部分は多い。
しかし、アヴァンギャルドな実相寺監督と社会派ライター佐々木氏のマッチングは、
作風的には良いものではない。
また、「ロコとゆりっぺだ!萌え!」、といった感じの典型的な2ちゃんねらーについて
ここで論じても仕方なかろう。
本作については、円谷プロの公式見解も無いため、封印までの経緯についても、
既に都市伝説化した観もあるが、
TVでのオンエアは2回。2回目の放送時は、夏休みの午前中、スペシャル番組の枠で
あった。
また、本作の封印のきっかけとなった小学館の雑誌付録の怪獣図鑑も見る機会があったが、
スペル星人を怪獣扱いしている点が問題のひとつだったようだ。

アウトローの多い2ちゃんねらーには、ヤオフク等の闇ビデオで本作を入手し、
悦に入っている者いるが、法を遵守できない者にエンターティメントを楽しむ
資格は無いことだけは自覚して欲しいものだ。

その3

第4話 マックス号応答せよ  評価B
ゴドラ星人が活躍するサスペンスフルでスリリングな作品です。

第5話 消された時間     評価B
まあ平均点のインベ―ダ―ものです。
ビラ星人がゴドラ星人に比べていかにも弱そうなのが難。

第6話 ダーク・ゾーン  評価A
セブンという作品らしさの良く出た妥協のないシビアなストーリーが秀逸です。
今でも、ふと街角の暗闇にペガッサ星人の姿を探してしまうのは、
私だけではありません。

第7話 宇宙囚人303 評価C
セブンと星人の格闘シーンも無く盛り上がりを欠く一編です。
クライムものなのでしょうが、キュラソ星人があの調子では、
ノワールの魅力出ず、狙いのよくわからない作品といえます。

第8話 狙われた街 評価A
実相寺監督の美意識が全開の異色作かつ秀作です。
OPの男が女を殴るシーンは、生々しく2ちゃんねらーの萌え心を
刺激し過ぎないかだけが心配です。

第9話 アンドロイド0指令  評価A
チブル星人の化けたおもちゃじいさんのアンドロイド0指令とは何か?
実にサスペンスフルな作品です。
アンドロイド役の女優は綺麗で、2ちゃんねらーの「萌え」っぷりが、
目に浮かぶようです。

第10話 怪しい隣人 評価B
人気のイカルス星人登場。何気に可愛いフォルムですが、ストーリーは、
サスペンスミステリタッチの見ごたえある作品です。
しかし、イカルス星人が山の向こうに消えて(そう見える)終わりとは、
納得は行かないところではあります。

第11話 魔の山へ飛べ 評価B
アンヌ抜き(物語中では理由の説明もない)のセブンの世界ゆえ、
B評価となりました。ダンの死というテーマですから、アンヌ抜きは
痛かった。桑田次郎の原作では、アンヌも登場してます。

第13話 V3から来た男 評価A
クラタ登場の男っぽい骨太のストーリーです。
ラストのキリヤマとの別れは泣かせるものがあります。

第14話・第15話 ウルトラ警備隊西へ 評価A
前・後編に別れた重量感たっぷりな見ごたえある作品です。
セブン・警備隊VSキングジョーの神戸港決戦は、迫力満点です。
裏切り者ぺダン星人もイイ、裏切られるセブンがアホな感じです。

第16話  闇に光る目 評価C
目だけの宇宙人というアイデアは良し。
しかし、それ以上に重要なのは、この作品の「悪いのは地球人では?」という
テーマは、その後シルバー仮面「地球人は宇宙の敵」でより掘り下げられ、
さらには平成セブンにも引き継がれることになる。
この点では見落とせない作品だ。

第17話  地底GO!GO!GO! 評価B
ウルトラセブン誕生秘話として注目していい一編。
森次氏も書いていたが、薩摩次郎があれほど愛情を注いでいたネズミのチュ―吉が、
あっさり見捨てられてしまう展開には、疑問を持った人も多いのでは?

第18話 空間X脱出 評価B
異空間を舞台にしたスリリングな作品である。
アマギ、ソガ両隊員の対照的な個性が良くでていて、人間ドラマとしても見ごたえがある。

第19話 プロジェクト・ブルー 評価B
外人の嫁さんを持つ科学者という設定が当時は何気に珍しい感じがした。
バド星人も畜生ぶりも冴える一編。

第20話 地震源Xを倒せ 評価B
吉田義夫の科学者役とは面白い。
地震ネタは、やはり日本の特撮には欠かせないだろう。
うまくまとまった作品だと思う。

第21話 海底基地を追え 評価A
個人的好みにでのA。とにかくアイアンロックスが意表を突くアイデアだ。
全編サスペンスフルな海洋活劇である。

第22話 人間牧場    評価B
これも人間牧場というアイデアが冴える好編である。

第23話 明日を捜せ  評価B
キリヤマ隊長大活躍編。キリヤマファンは必見です。
第24話 北へ還れ!  評価B
フルハシ編。
母親とフルハシの今生の別れ(?)のシーンが異様な迫力あり。

第25話 零下140度の対決 評価A
迫力満点のスノーアクションです。
しかし、ダンの見た子供のようなポール星人は幻だったのでしょうか?

第26話 超兵器R1号    評価A
おなじみギエロン星獣登場。
一瞬躊躇し、罪も無いギエロンの喉をアイスラッガーで掻き切るセブン、
衝撃的な惨殺シーンです。
この作品でも「悪は地球人にあり」のテーマが追求されます。
そしてあの名セリフ「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」。
必見の1作でしょう。

第27話 サイボーグ作戦  評価B
サイボーグ作戦→ボーグ星人、あまりにベタな発想ですが、ストーリーは、
セブンらしいスリリングな展開です。

第28話 700キロを突っ走れ! 評価A
出来の良い洋画を見るようなスリル溢れる秀作です。
ラストのドンデン返しも唖然です。おなじみスパイナー登場!
ダン・アマギというコンビが面白い。インテリ隊員アマギのトラウマが満載の一編です。
原典となったと思われのフランス映画「恐怖の報酬」は必ず見てください。
イヴ・モンタン主演、モノクロ映画のやつです。

第29話 ひとりぼっちの地球人 評価B
地味ですが、好きな作品のひとつです。
プロテ星人扮する教授が、正体がばれた後も、地球人の助教授に
教え子に対する感情を持っているの点がとても面白い。
これが、あの解決につながります。
3流の特撮ですと、
助教授「先生!あなたはまさか………」
教授=プロテ星人「やっと君も気づいたようだね。そうだ君の思っている
         とおりだよ…」、プロテ星人の正体を現す。
助教授「うわー!」、
プロテ星人「ワレワレハ、プロテセイジンダ、キミノヤクメハオワッタ、シネ!」
助教授に向け怪光線を発射する。
助教授「ぎゃあーー!」

第30話 栄光は誰のために 評価A
この作品のA評価は異論も多いでしょうが、子供騙しを排したセブンの面目躍如
の一編です。青木は子供心には、どう見ても厭な奴ですが、そういう人間なりの
信条もあるのだ、というところまで良く描けていたと思います。
後年のダイナ「青春の光と翳」に近いテイストを感じますが、本作の方がシビアです。

第31話 悪魔の住む花  評価C
アイデアは良いのですが、もうひとつ盛り上がりを欠く作品のような気がします。

第32話 散歩する惑星  評価C
31話も同様ですが、タイトルはあいかわらずイイのですが…
初期の頃とは違い、今ひとつスリルが足りない感じです。

第33話 侵略する死者たち  評価B
地味ながらホラータッチの佳作です。人によってはA評価でしょう。

第34話 蒸発都市  評価C
まあ、可もなく不可もなくといった出来映えです。
元祖アンヌが登場。

第35話 月世界の戦慄 評価B
ダン、キリヤマ、クラタ、濃い3キャラクターの葛藤が見物の作品です。
これにより月世界を舞台にしたサスペンスストーリーも盛り上がっています。

第36話 必殺の0.1秒 評価B
タイトルもストーリーもウエスタンっぽい異色作。
個人的には好きな作品です。

第37話 盗まれたウルトラ・アイ 評価A
いつもはタイトルがイイのが売りのセブンですが、今回は内容はA級なのに
あまりにベタなタイトルだけはいただけません。
美少女萌えの2ちゃんねらー必見の一編です。

第38話 勇気ある戦い 評価E
病魔と少年の戦いも暗示したタイトルなのでしょうが、
セブンには珍しい子供騙しなハッピーエンドの駄作です。
アンヌの軽いジェラシーを感じさせる描写があるのが、面白い程度です。

第39話・第40話 セブン暗殺計画 評価B
タイトル通りショッキングで、全編に緊迫感溢れる見ごたえのある作品です。
前編のカプセル怪獣殉職シーン、後編のセブン張り付けシーンが印象的です。

第41話 水中からの挑戦 評価B
個人的には好きな作品です。
真の主役は日本河童クラブの個性的な面々でしょう。
本筋には関係無いのですが、ラストで運転手が女性だったのがなんとなく時代の先端という
感じです。河童のマスコットも印象的でした。

第42話 ノンマルトの使者 評価A
あまりにショッキングで凄い出来映えのため、その後、本作のアンチまで出現した傑作
です。このテーマは、平成セブンまで引き継がれる事になります。
「アンヌの水着萌え!」とばかり言ってる2ちゃんねらーは逝ってよしです。

第43話 第四惑星の悪夢 評価B
シュールな佳作です。これは平成ウルトラには無いテイストであります。

第44話 円盤が来た 評価A
実相寺監督のパワー全開の異色作にして傑作。
ミッキー安川や渡辺文雄がセブンに登場するとは驚きでした。
役柄がイメージとは反対っぽいのも面白い。

第45話  恐怖の超猿人 評価C
まずまず楽しめる程度の作品です。
シリーズの中でもハイレベルな作品が連続した後なので、
損した部分もあるでしょうが、悪い作品ではないです。
射殺される超猿人が何気に哀れを誘います。

第46話 ダン対セブンの決闘 評価B
結構面白い作品です。サロメ星人役の女優も綺麗で、
2ちゃんねらーなら「逝く!」とか言うのでは(w
最後までセブンが勝ったのかどうか、緊迫感を持続させる演出が見事です。

第47話 あなたはだあれ? 評価C
サスペンスタッチの侵略ものですが、もうひとつ乗れなかった感じです。

第48話・第49話 史上最大の侵略  評価A
ケン・アナキン作品をもじったタイトルは、タイトルに凝るセブン作品にしては
少しオーバーで野暮ったい感じを受けたのですが、
内容的には、ウルトラシリーズ最終回の中では最高傑作です。
過労のため帰郷せざるをえない恒点観測員340号の姿に、
大都会の生活に疲れ果て、帰省する田舎者の姿を投影する人は数多いでしょう。
そして、2ちゃんねる的世界からは最も遠いところにあるダンとアンヌの至高の愛そして別れ、これは「大怪獣萌え!」とか「アンヌタンハァハァ…」とか言っている典型的な2ちゃんねらーには、
理解不能なものであります。


「光は、やがて星の中にきえた」 金城先生のシナリオ最後の一行であります。


ウルトラマンダイナ

ウルトラマンダイナは、ティガやガイアに比べてはしゃぎ過ぎで嫌いだと言う人は多い。
しかし、全51作の中には見逃せない傑作も多い。
そこで当倶楽部では、ダイナ全作品中(TVシリーズに限定)必見の作品をセレクトする
こととした。
以下に紹介する作品のみ見れば、ウルトラマンダイナは、もう卒業である。
駄作は見ないためこのシリーズの印象も格段に良いものとなるだろう。

順不同
1 少年宇宙人
  誰もが認める傑作かつ異色作。
  誰もが経験する子供から大人への脱皮、旅立ちの心情がうまく描かれていて、
  ドラマとしての感銘が深い。
2 クラーコフ浮上せず 前・後編
  「クリムゾンタイド」を想起させる迫力満点のサスペンスアクションである。
3 運命の光の中で
  シリーズ全体の中では番外編的作品だが、スペーススポ根ものと言ってもいい、
  見ごたえのある一編。
4 平和の星
  軍備問題を考えさせるハードな作品。軽薄な初期のダイナファンの好みではないが、
  スーパーガッツに対する第3者の視点の導入が斬新である。
5 ユメノカタマリ
  名優寺田濃の演技がひかるユーモラスな快作。
  スラプスティックコメディと言っても過言でなかろう。


166 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:02/01/24 (木) 07:07 ID:X2wihyc9


6 怪獣戯曲
  実相寺監督によるシュールな作品。
  凝ったキャメラワークによる幻想的な世界観の構築は、いまだに他者の追随を許さ
  ないものがある。
  軽薄な初期ダイナファンは、この作品により完全に駆逐されてしまった。
7 ぼくたちの地球が見たい
  川崎監督渾身のSFスリラーの傑作。スーパーガッツによる宇宙での救出シーンは、
  ウルトラシリーズ屈指の緊迫感に富む。
  川崎監督特有のユーモアも程よく散りばめられていている。
  ダイナ作品中では、最高傑作なのは異論の無いところだろう。
8 うたかたの空夢
  川崎監督が完全に突きぬけたパロディ満載の快作。
  プロの中では、これがダイナシリーズ最高傑作という声も多い。
9 チュラサの涙
  上原正三先生がダイナシリーズ唯一筆をとった作品。
  宇宙刑事を思わせる展開だが、少しウルトラマンジャックのような雰囲気も
  併せ持つ(すなわち70年代初期ウルトラ)名編である。
10 最終章3部作
  名作の誉れ高いティガ最終3部作に劣らない見ごたえある最終編である。
  アスカとリョウの展開は、ややマドカとレナの2番煎じ的展開でいただけないが、
  この点を除いては、人造ウルトラマン計画からショッキングなダイナの死までを
  一気に見せる弛みの無いものに仕上がっている。
    


167 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:02/01/24 (木) 07:36 ID:KAk031PG

その他にも支持を集めた作品について簡単なコメントと共に紹介しょう。
・ ツクヨの兵士
これも初期ウルトラにありそうな伝承をからめたサスペンスフルな作品である。
・ 侵略のシナリオ
ドタバタシーンが多いコメディタッチの一編。気軽に面白く見れるので、
初期ダイナファンの支持も得られそうな作品である。
・ 青春の光と影
タイトルがまんまATG。栄光の道に進む者、その前に健闘むなしく敗れ去る者の
対比が鮮やかに描かれていて胸を打つものがある。
後者が多い2ちゃんねらーには、悲し過ぎるかも。
・ あしなが隊長
とかくはしゃぎ過ぎで、本格ウルトラファン顰蹙を買う事の多かったヒビキ隊長
だが、この作品では演じた俳優本木の味わいも良く出た一編。
・ 君を想う力
2ちゃんねらーには、天文台員ヒラオ青年に共感する者が多いかと想われ。

168 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:02/01/24 (木) 07:41 ID:KAk031PG

ウルトラマンダイナ総括

初期にはしゃぎ過ぎの駄作が多かったのが。このシリーズの不運であった。
実際、セレクションでも第19話までの作品は全くセレクトされていない。
番組開始当初のもっと早い段階で、実相寺監督や川崎監督を起用し、
話しの幅を広げておくべきだったろう。
面白くなる前にダイナを見捨てた視聴者が多いと思われるのが、
残念である。

映画の史上ベスト10

一応、私のコメントを挙げておこう。批評家選出部門
1 市民ケーン 
  ローズバッドの秘密とは?、ミステリ板住人の私の嗜好も十分に満足させる名作。
2 めまい   
  数あるヒチコックのスリラーの中で、なぜこの作品という感を抱かないでもない。
  「めまい」も面白い作品ではあるが、あえて1本選ぶなら「サイコ」ではないだろうか。
3 ゲームの規則
  最近は壊滅状態にある「大人」の見る作品である。ランク入りは当然。
4 ゴッドファーザー・同パートU
  2ちゃんの厨房連中の心さえ捉えた重厚な大河ドラマの傑作。
  とにかく面白い。パートVも悪くないが、正編やパートUと比較されると苦しいかも。
5 東京物語
  この作品のランク入りには、やはり嬉しい日本人が多いだろう。
6 2001年宇宙の旅
  人により評価が分れる作品である。ノヴェラを担当し、
  続編を書いたSF界の巨匠アーサー・C・クラークは、イギリス冒険小説的な要素が
  その作品の魅力だが、このシリーズは抽象性のみ先に立ち過ぎている感が強い。
7 サンライズ
  戦艦ポチョムキン
  いかにも批評家らしいセレクション。
8 81/2
  フェリー二作品がこれになるのはわかる気もするが、日本人にはやはり「道」だろう。
9 雨に唄えば
  ミュージカルがこの作品というのは結構いい。
  「ウエストサイド物語」「サウンドオブミュージック」等いずれも実態は凡庸な大作である。


298 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/11 (日) 21:35 ID:JPm9uCLh

監督選出部門
1 市民ケーン
2 ゴッドファーザー・同パートU
3 81/2
4 アラビアのロレンス
  監督選出部門にこの作品がセレクトされたのは理解できる。
  語り口、キャメラワークが絶妙なのだ。
5 博士の異常な愛情
  「2001年…」でなくこの作品というのが面白い。
6 自転車泥棒
  レイジング・ブル
  めまい
  「自転車泥棒」のランク入りはなんか嬉しい。
7 羅生門
  七人の侍
  ゲームの規則
  批評家は小津、監督は黒澤というのは何気に納得が行くものがある。


299 名前:名無シネマさん 投稿日:02/08/11 (日) 21:54 ID:cmwtCxkD

>>297-298
観てないのミエミエなのに一言言いたいミステリ板住人…


300 名前:名無シネマさん 投稿日:02/08/11 (日) 22:35 ID:NsFrz6QU

>2ちゃんの厨房連中の心さえ捉えた重厚な大河ドラマの傑作。

しかし、なんでこんな偉そうなもの言いするんでしょうね、この人。
ここを自分のHPかなんかと勘違いしてる?
  


301 名前:名無シネマさん 投稿日:02/08/11 (日) 22:49 ID:s7fjHeLl

>一応、私のコメントを挙げておこう。

お前のコメント知りたいヤツなんて誰もおらんわ(w


刑事コロンボ プロから見た私的ベスト3

721 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/11 (日) 00:54

宵の口にスーパーチャンネルで放送された「自縛の紐」。
タイトルの妙、理詰めの推理、この番組には珍しいお色気もあり、
面白く見たが、どうもストーリー全体がしょぼい気がしてならない。
コロンボが病院の待合でコジャック並みに犯人を恫喝するシーンも
彼らしくなくていただけない。
ラストで完全犯罪の目論見が崩れた犯人に急に同情的口調になるのは
いかにもコロンボらしくていいけど。

722 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/11 (日) 01:06

そこでプロから見た私的ベスト3。
ドラマ性よりあくまでミステリとしての面白さに着目したものである点を
あらかじめお断りしておく。

1 ビデオテープの証言
2 ホリスター将軍のコレクション
3 野望の果実
次点 権力の墓穴、 断たれた音
といったところが妥当だろう。

新シリーズは問題外の作品ばかりであるのは論を待たないところだが、
旧シリーズでも
「死者の身代金」「二枚のドガの絵」「溶ける糸」あたりは、アンフェアの極み。
この辺に喜んでいたら、ミステリファンとは言えない。
旧シリーズも後期の作品「5時30分の目撃者」「ハッサン・サラ―の反逆」あたりも
期待外れもはなはだしいものがある。


刑事もの

懐かしい映画のタイトルが目に付くので、感想を少々。

「恐怖に襲われた街」
パリ版ダーティー・ハリー。
J・P・ベルモンド扮する豪腕刑事が大暴れする、
ハリーシリーズのファンなら必見の作品。
本家のサフランと同様にパリロケが映える。
花の都ならぬヨーロッパの巨大犯罪都市パリの姿がここにある。

「刑事キャレラ 10プラス1の追撃」
ジャン・ルイ・トランティニアンの刑事はカッコいいが、
原作はアメリカの87分署シリーズの一編であり、
このシリーズは舞台となるアイソラという明らかにニューヨークをモデルにした
仮想都市の存在抜きには語れないものがあるため、舞台をフランスに移し変えた
この作品は、犯罪そのものもアメリカ的なせいもあり、なんだかおかしい。
ドミニク・サンダのオッパイが少し拝めるのはこの映画だっただろうか?

「マシンガンパニック」
先に紹介したスウエーデン映画「刑事マルティンベック」(原作「唾棄すべき男」)と
同じ警察小説シリーズに属する作品(「笑う警官」)が原作である。
原作はシリーズ最高傑作との評判が高いが、「刑事キャレラ…」と同様、
舞台をストックホルムからサフランに移し変え失敗している。
原作はストックホルム社会史の色彩が強いものであり、これをアメリカ西海岸にしてしまっては、物語自体の成立が危ぶまれるところである。
案の定、安手なC級アクションに終始している。

殺ヲタ必見の映像作品

109 名前:ミステリ板住人 ◆hr24ALqEXE 投稿日:03/12/11 (木) 21:09 ID:c0tjusk7

殺ヲタ必見の映像作品を映画・テレビ部門別に紹介しておく。
心して読め!
時代劇歴代ベスト10 映画部門
1 忠臣蔵(58年大映)
  翌年(59年)に制作された東映の「忠臣蔵」も捨て難いが、
  ハセキョウならぬハセカズの大石、眠雷蔵の内匠頭のキャスティング
  まさに秀逸の一言である。映画版必殺バージョンの忠臣蔵を見る際の
  テクストとして本作くらいは見ておくこと。
 2 水戸黄門(57年東映)
   黄門はガタヤンに尽きる。数多あるガタヤンの黄門シリーズからコンパクトに
   まとまっておりその魅力を堪能出来る本作を推す。
   時代が許せばガタヤンに必殺の敵役あるいは元締をやって欲しかった気がする。
3 大殺陣
  必殺シリーズでもおなじみ工藤栄一最高傑作は「十三人の刺客」にあらず
  本作である。
  クライマックスの集団抗争、思わず「ミステリ板住人と申す、助太刀致す!」
  と主人公のテロリストたちに加勢したくなる。
  テロルの本質を鋭く描いた佳作である。
4 大殺陣 雄呂血
  殺ヲタには「助け人走る」の文十郎役知られた田村高廣氏の父バンツマ主演作品
  のリメークだが、既に原典を抜いている。
  クライマックス、ランボーも顔負け雷蔵の殺陣が凄過ぎる。
5 徳川いれずみ師 責め地獄
  最初期必殺シリーズを想起させる暗い情念が全編に溢れた作品。
  まさに殺し屋無き初期必殺の世界である。
  石井スレででも折り紙付きの石井監督の最高傑作。
  殺ヲタは黙して見ろ。
6 色情大名 徳川セックス禁止令
  この作品も必殺シリーズに共通する乾いたユーモアとサディズムに富む傑作。
  単なるエロな娯楽映画にあらず、人間の本性を描いて間断するところがない。


110 名前:ミステリ板住人 ◆hr24ALqEXE 投稿日:03/12/11 (木) 21:10 ID:c0tjusk7

7 必殺仕掛人
  唯一の田宮梅安作品。原作のファンと殺ヲタ双方を満足させるスタイリッシュで
  凄味溢れる作品かと思う。
8 木枯し紋次郎
  菅原文太の紋次郎、テレビシリーズ(仕掛人のライバル番組)と比較すると
  地味な存在だが、クセモノ揃い
  の助演陣、スケールが大きい話の面白さは保証付き。
9 宮本武蔵5部作(東映)
  武蔵はヨロキンに尽きる。社会派内田吐夢監督の起用により原作を凌駕する
  ヘビーでハードな見応えあるシリーズになっている。
  そう言えば、宮本武蔵ネタは必殺シリーズには無かった気が。
10 七人の侍
   時代劇部門どころか、歴代日本映画、否、世界ランキングクラスの作品。
   静かな小津ブームの前に黒ぱんの影が薄いのは残念だ。
  そう言えば、七人の侍ネタは必殺シリーズには無かった気が。


111 名前:ミステリ板住人 ◆hr24ALqEXE 投稿日:03/12/11 (木) 21:11 ID:c0tjusk7

時代劇歴代ベスト10 テレビ部門
 1 木枯し紋次郎
   必殺シリーズのこってりした関西テーストに対して、主人公紋次郎が上州出身、
   原作者笹沢先生が東京出身ということもあって、クールな関東テーストである。
   原作がしっかりしているせいか、駄作が皆無に近い。
   キャラ構成、スト―リーの面白さ、キャメラワーク、音楽等々、
   どれひとつ取っても傑作の名に恥じない。
2 必殺仕置人
  作品によりやや出来不出来があるとはいえ、必殺シリーズのフォーマット
  を形成した傑作中の傑作。
3 子連れ狼
  初期必殺ファンなら必ず気に入るはずだ。
  第1部までの面白さは原作も顔負け。後半は阿部怪異の金田竜之介が
  凄過ぎる。烈堂は佐藤慶を推す。
5 斬り抜ける
  エンディングタイトルは完全に必殺シリーズをパクっているが、
  これはこれで楽しめる。
  コンド―です。元祖マッチこと近藤正臣の地獄旅。


112 名前:ミステリ板住人 ◆hr24ALqEXE 投稿日:03/12/11 (木) 21:11 ID:c0tjusk7

6 眠狂四郎(田村正和バージョン)
  雷蔵とは異なる正和狂四郎の殺戮とエロスは一見の価値あり。
7 素浪人花山大吉
  前番組「素浪人月影兵庫」もあるが、原作の頚木を脱し、より自由に展開された
  本作を推す。
8 ふりむくな鶴吉
  必殺シリーズでは実現しなかった沖雅也と伊吹吾郎共演という殺ヲタ垂涎の
  名作。
  ミステリタッチの物語面白さ、多彩で陰翳に富んだ個性的な登場人物、
  今では見る機会も無いが、面白さ保証付きの元祖NHK金曜時代劇。
9 妖術武芸帳
  子供番組と侮れない重厚な作風とゲーム感覚の面白さを兼ね備えた作品。
  からくり人シリーズ後期が好きなヲタ好みと思われ、思われ。
10 荒野の素浪人
   三船用心棒後日談。いわゆる時代劇の標準的な面白さを堪能出来る。
   仕業人のやいとやこと大出俊が五連発の旦那なるスタイリッシュなガンマン役
   で登場。両作品を見比べると面白い。

知識人が選ぶアニメ映画ベスト10

セレクションが難行するかに思われたが、意外に簡単に決定した。
日本では漫画やTVアニメの傑作は目白押しでも、意外にアニメ映画の傑作・成功作は
多くないのである。
セレクションに当っては、映画というメディアの表現形態を有効利用した作品を
高く評価している。
漫画界の巨匠手塚治虫、石森章太郎両氏が、あくまでアニメ映画というジャンルに関しては
ほとんど傑作を残していない点が注目される。
これは日本の漫画家が手塚先生を筆頭に、積極的に映画的な手法を作品に導入、
さらにはこれを自家薬籠中のものとして行った経緯を思うと皮肉な結果だと言えよう。
また、クレヨンしんちゃん、ドラえもん、宇宙戦艦ヤマト、機動戦士ガンダム等は、
興行的にはヒットしたものの、作品自体はTVアニメの延長に過ぎないものであった。

1 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 
  THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に
TVシリーズを見ていない場合、どこまで楽しめるか疑問な点はあるが、
OPのシンちゃんの自家発電の暗示、シンちゃんのアスカタン首絞め、
レイタンの騎乗位、2号機陵辱・アスカタン惨殺、人類補完計画による大量死、
メインキャラの相次ぐ惨死等々、TVでは不可能な映像表現が目白押し。
しかも全ての表現がメタファーとなって作品全体を貫いている。

2 機動戦艦ナデシコ/The prince of darkness
劇場版エヴァ以上にTVシリーズを見ていないで楽しめるかに不安が残る作品だが、
主人公ルリルリのキャラを年齢に合わせてTVとは微妙に変更、TVのヒロイン格である
ユリカをほとんど物語から排除、さらにはTVの主役テンカワアキトまで脇に回したうえ、
大幅なキャラ変更と映画用に斬新な試みが成されている。
物語はユーモアをまじえて進行して行くが、TVにはきつい結構シビアな設定である。
人気に安住しなかった果敢なチャレンジを評価したい。

415 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/13 (火) 21:40 ID:2JGgo86i

3 機動警察パトレイバー 風速40メートル
サブタイトルに懐かしさを感じるオールドなファンは2ちゃんにどの程度いるだろうか?
前半のミステリタッチの展開と後半のスペクタクルな展開が巧くマッチした第1級の
娯楽作品になっている。
絵柄意外はTVシリーズとの違いはさほど無く、TVシリーズをスケールアップしたに
過ぎないという批判は妥当する。

4 機動警察パトレイバー2 the Movie
前作よりこの作品の方が映画というメディアに適した素材といえる。
TOKYO WARというテーマ自体がTVアニメでは苦しい。
迫力ある破壊シーンの連続とサスペンスフルな物語展開のわりには、
山水画を見た後のような淡々とした印象が残る異色作でもある。

5 耳をすませば
6 海が聞こえる
ジブリからはこの2作がランクインした。
宮崎アニメ特有の臭みが無い爽やかな2作である。
「平成狸合戦ぽんぽこ」は、それなりに楽しく見れるが、ベスト10級の作品ではない。
「となりのトトロ」はやや重量感を欠くきらいがある。
「おもいでぽろぽろ」は、やや冗長な語り口が気にかかる。
ベスト10作品のセレクトなので、
ナウシカ、ラピュタ、紅の豚、魔女の宅急便、もののけ姫等は問題外。


416 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/13 (火) 21:42 ID:2JGgo86i

7 ユンカースカムヒア
知られざる傑作アニメである。詳しくは私が主催するアニメ板のスレを参照されたい。
ユンカースの謎に絡むメルヘンのメタファー、
ハッピーエンドのように見えるアンハッピーエンド風ラストと見方によっては、
結構凝った構成の作品である。

8 わんわん忠臣蔵
忠臣蔵は日本人の基本であろう。
本も読まず、劇映画も見ない人(動物好きならなお良い)は、
せめてこのアニメを見て忠臣蔵スピリッツを感じ取って欲しい。

9 攻殻機動隊
とかく観客を置き去りにしがちな押井監督だが、この作品はぎりぎりで観客と
作品の世界観を共有出来る臨界点であろう。
シュールでストレンジな世界が縦横に展開されるSFアニメである。

10 クレオパトラ
興行的には大失敗したが、作品的には唯一見るべき虫プロ制作のアニメ映画である。
SF的設定に制作当時の風俗(整形等)もまじえた異色史劇。
OPまもなくのいきなりのレイプシーンには、虫プロ作品という先入観があったので、
初見の時は本当にビクーリしたYO。

417 名前:名無シネマさん 投稿日:02/08/13 (火) 21:57 ID:ogjYkjnv

何か久しぶりに見たらスレ内容が変わっているぞ。
テリ野郎は自分でスレ立てるが宜し。そしたら付き合ってやっても良いが。
アニメベストテンとか銘打っている割には・・・。
『フクちゃんの潜水艦』は観てないんですか?
『くもとちゅうりっぷ』は観てないんですか?
『桃太郎の海鷲』は観ていないんですか?
『空飛ぶゆうれい船』は観ていないんですか?
『ある街角の物語』は観ていないんですか?
『殺し・MURDER』は観ていないんですか?
『白蛇傳』は観ていないんですか?
『アリーテ姫』は観ていないんですか?
>ユンカースの謎に絡むメルヘンのメタファー
貴方は大バカですね。ちゃんとユンカースカムヒアを観てから言いなさい。


418 名前:名無シネマさん 投稿日:02/08/13 (火) 22:01 ID:ogjYkjnv

要するにテリ野郎はアニメ史なんか全然知る由もなく、映画史だって
怪しいもんで、作品が出来上がる歴史的必然性なんざまったくお構い
なしで、ビデオ屋で目を引くスキャンダラスな話題作を論っているだけ
なわけですな。いまどきエヴァ劇場版がボクちんの映画史ナンバーワン
だなんて、恥ずかしくっていえないような事を平気で言いやがる。
あんたのレスは見ていて恥ずかしいよ。


419 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/13 (火) 22:14 ID:2JGgo86i

ランキングは原則順不同だと既述している。
この1点を見ても、417は他人のレスをいい加減にしか読んでいないということがわかる。

また、私が言うナショナルパスタイムの意味を理解出来ているのか疑問だ。
歴史的な経緯・価値は問題外、「白蛇伝」にしても「空飛ぶ幽霊船」にしても、
想定したような一般大衆が、今見て面白いのか否か、この1点のみが問題だ。
417は、旧来の価値観から脱しきれない映画厨に過ぎないように見える。
私の「ユンカース・・・」に関する見解を批判するのは自由だが、
必ず理由・根拠を明記すること。
この程度のことは何度も言われんでもやれや(w


420 名前:名無シネマさん 投稿日:02/08/13 (火) 22:24 ID:TZB5T7YI

他でスレ立てたらどうだい?


421 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/13 (火) 22:28 ID:2JGgo86i

>>420
このスレはもう盛りを過ぎた廃物ぽいので、有効利用しよう。
やたらスレを増やしても仕方ない。

明日は、「知識人が選ぶATG映画ベスト10」あたりをやってみたい。

422 名前:名無シネマさん 投稿日:02/08/13 (火) 22:30 ID:/tdybXD3


====== This thread is over . Don't write , please . Good bye. =======


知識人が選ぶATG映画ベスト10

1 肉弾
  ジャンルやテイストが異なる場合は、ダイレクトな比較が困難ではあるが、
  ATG最高傑作と言っても過言ではない。
  これが真の反戦映画であろう。
  軍隊経験のあるメジャーな監督岡本喜八のATG作品であるのが、
  作品内容・出来映えの点双方において何か皮肉な感じを受ける。

2 人魚伝説
  本来なら現代アクションのベスト10に入れてもいいのだが、
  良くも悪くもATG映画そのものであり、こちらにセレクトした。
  ATG版さそりはこういう形になるという実例。
  とにかく過激なエロとバイオレンスの中に人間の業のようなものを感じさせる。
  面白く見れるのは保証する。

3 歌麿 夢と知りせば
  この作品も時代劇の番外よりは、こちらのランキングに入れるのが妥当であろう。
  実相寺監督作品にしては独自の美意識よりストーリー性に重きが置かれており、
  歌丸役の岸田森の狂演にもひきずられて、面白く見れる。


507 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/14 (水) 20:28 ID:3yfpQXZL

4 青春の殺人者  
  ミステリー色の無い殺人のあるドラマ。異色の青春映画である。
  若かりし頃の水谷豊と原田美枝子が好演。
  さすがに2人ともその後も長く活躍する俳優だけのことはある。
  市原悦子はむしろ怪演とも言うべき好演である。

5 祭りの準備
  田舎を舞台にした青春映画の傑作中の傑作。
  原田芳雄の飄々とした演技が秀逸。浜村純も完全にスパークしているのだ。

6 人間蒸発
  ミステリータッチのドキュメンタルな作品だが、これは間違い無く「映画」だ!
  人間存在の不可思議性を痛感させる問題作。
  ナビゲーター役の若き日の露口茂が好演。この頃から結構渋いぞ山さん!

7 股旅
  渡世人の実態を描いて間断するところがない巨匠の手になる作品だが、
  時代劇ベスト10より、あえてATGベスト10に入れたい。
  ATG御家芸である無様な青春を描いた典型的な作品でもあるからである。

8 ヒポクラテスたち
  アメグラ風のラストはビターだが、明るく面白いATG映画。
  新米の医者たちの世界をかいま見る興味は大きい。
  こういう作品の存在はATG作品のイメージを固定させないため貴重である。
9 台風クラブ
  これも「ヒポクラテスたち」以上に楽し気なATG作品。
  面白く楽しく見れることも重要である。
  さらにこの作品には、ちゃんといわゆる青春の光と陰もあるのだ。

10 廃市
  原作の功も大きいが、純文学の映像化に成功した稀有な作品。
  読書習慣の無い者が多い映画板住人に、突きつけて見せたい。


508 名前:名無シネマさん 投稿日:02/08/14 (水) 20:34 ID:7S0611LB

さてと、みんな〜次は何の話する?


509 名前:名無シネマさん 投稿日:02/08/14 (水) 20:34 ID:n6ijDijF

お〜いミス板アホニョ〜ン

知識人が選ぶ怪談・ホラー映画ベスト10

1 マタンゴ
2 美女と液体人間
3 NIGHT HEAD
この3本は、新大陸的な評価基準では、ホラーにカテゴライズされても不思議はない。
いずれもホラータッチのSFないしはSFホラーといったところか。
新大陸ではSF、ホラー、ミステリーの境界が不分明であり、特にSFとホラーのそれは
カテゴリーの枠があって無きが如しである。
これはラブクラフトあたりを読むと良くわかると思う。
「マタンゴ」は、物語展開自体がホラーそのもの。原案もW・H・ホジスンの怪奇小説である。
「美女と…」は、「マタンゴ」よりはSF色が強いが、展開は都市を舞台にした現代怪談
そのものである。一連の東宝変身怪人作品の中では、最高の出来映え。
「NIGHT HEAD」は、TVシリーズも同様だが、超能力の恐怖を描いて間断するところがない作品である。
科学的な探求や特定の未来観の呈示を主眼とするオーソドックスなSFとは一線を画していると言える。

4 東海道四谷怪談
  中川信夫というより、天知茂の伊右衛門に尽きる。
  この物語のキーマンは彼なのである。
  別バ―ジョンの仲代達矢の伊右衛門も捨てがたいものがあるが、
  やはり四谷怪談映画はこの作品が決定版と言えるであろう。

5 牡丹燈籠
  牡丹燈籠の映画化作品は、本郷功次郎が新三郎、赤座美代子がお露を演じた
  本作を見ておけばよい。
  西村晃・小川真由美(2代目TV黄門と初代女ねずみ小僧)の悪党夫婦が
  秀逸である。


582 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/15 (木) 14:02 ID:caGWR60l

6 秘録怪猫伝
  化け猫映画は、この作品を押えておけばいい。
  比較的制作年代の新しい化け猫映画なので、瞬間的な恐怖感ばかりでなく、
  物語全体がサスペンスフルな展開になるように演出されていて飽きない。

7 怪談
  4から6までの和製スプラッターホラーとは、180度趣が異なるモノ静かな
  語り口の怪談。
「耳ない芳一」が、一番面白いが、「茶碗の中」の奇妙な味わいも忘れがたいものがある。
 しかし、ハーンの原作にはもっと恐い話(生理的にも)がいくつもあるので、
 怪談映画としては、無難に原作をセレクションした感は否めない。
 

8 妖怪百物語
9 妖怪大戦争
  一世を風靡したヒットシリーズ。
  怪談というよりは楽しさも溢れるホラー映画である。
  本シリーズ第3作「東海道お化け道中」は、超駄作なので注意すること。
 
10 血を吸う眼
  岸田森の吸血鬼が出色。無難にまとめた現代怪談である。
  しかし、現代怪談は難しい。
  下手をするとワイドショーの再現フィルム如きに成り下がってしまう。

知識人が選んだ原作がある映画

原作がある映画は、古来から常に原作と比較される運命にある。
ここでは、「映像と書籍は、別なメディアであり、作品の比較は出来ない」
といった、2ちゃんねるの映画厨がのたまうような甘えた言い逃れは通用しない。
原作を持つ映画は、事の良し悪しは別として、
原作と常に比較されるという冷厳たる事実が存在するからである。
今日も、ハリウッドのプロデュ―サーの机の上には、映画化可能と思われる原作が山積して
いるのである。

「知識人が選んだ原作がある映画」
本稿では、映画オリジナルの作品はもちろんのこと、
映画化されたが、出来映えが原作に及ばなかったものは除外した。

1 ゴッドファーザー
  第1作だけなら原作の持つ重量感(映画ではパート2で描かれるビト―の幼少期も
  描かれていて読み応えあり)に及ばない。
  パート2、3まで含めた一連の大河ドラマとして見ると原作を凌駕していると言える。
  原作 早川NV文庫(上・下巻)

2 ジョーズ
  ピーター・ベンチュリーの原作は、怪物退治が始まるでが、やや冗長で散漫な展開である。
  映画は、この原因となった警察署長のカアちゃんと若い海洋学者の情事を完全にカットし、
  登場人物のキャラも若干の変更を加えるなどして、物語全体のテンポも良くなっている。
  原作 早川NV文庫

3 ポセイドン・アドベンチャー
  原作者ポール・ギャリコは、野球小説でも知られる1流の文芸作家である。
  登場人物たち(神父や警部)のプロフィールが詳細に書き込まれており、
  映画より人間ドラマの要素が濃いものになっている。
  エンタメとしてはスペクタクルな見せ場が連続する映画が上だろうが、
  原作は別物という感もする。
  原作 早川NV文庫

4 ブリット
  原作者ロバート・L・パイクは、ロバート・フィッシュという筆名による
  ミステリー作家として著名であり、軽快な作風が持ち味である。
  このため映画に原作よりも重厚な感じを受ける(普通は逆)。
  主人公の刑事のキャラ等かなり原作と異なるが、本作のようなストーリーライン
  であれば、映画の設定の方がよろいしいかと思う。
  原作 早川NV文庫

5 シエーン
  ジャック・シェーファーの原作は、シェーンのキャラが映画とは大きく異なる。  
  黒づくめのニヒルな感じのおのこである。むしろ、映画の敵役ウイルソンに近い感じだ。
  ラストは、シェーンの死を暗示して終る。
  原作も悪くは無いが、キャメラワークの美しさ、シェーン以外の登場キャラの魅力等も
  あり、総体的に見れば、映画が上だろう。
  原作 早川NV文庫

6 夜の大捜査線
  前スレでジョン・ボールの原作との比較を詳細に行ったが、映画が真っ向勝負で、
  原作を凌駕した稀有な例である。
  しかもジャンルが映画では成功しにくい謎解き中心のミステリである。
  原作 早川ミステリー文庫(「夜の熱気の中で」)

7 刑事マルティン・ベック
  地味なスウェーデン映画だが、原作に忠実なストーリーラインと映像による
  アクションシーンの魅力がマッチした佳作である。
  原作は、人気があった警察小説のシリーズの一編だが、シリーズ中では
  社会告発の色彩が濃すぎ、エンタメとしての魅力(ミステリとしての魅力)
  が薄まった点が指摘されていた。
  この点を映画では、省略が巧くきいている。
  原作 角川文庫(唾棄すべき男)

8 天国と地獄
  原作をはるかに上回る面白さである。
  人気の87分署シリーズ初期の一編の映画化だが、
  原作はシリーズ中の異色作であり、警察の捜査活動より、
  誘拐事件に巻き込まれた実業家の視点で、その苦悩を描くことに主眼がおかれている。
  映画は、この点もきちんと描くとともに、仲代達矢演じる戸倉警部を初めとした個性的な
  捜査陣の活動をスリリングに活写して間断するところがない。  
  本来の87分署シリーズの魅力はこちらにあるのだ。
  異色作である原作の設定を十分に生かしたうえで、さらには原作の属するシリーズの
  魅力も存分に投入する。このあたりが、私が原作をはるかに上回ると形容する所以である。
  原作者マクベインも映画の方が上と明言し、
  87分署シリーズの映画化作品では最高傑作と折り紙をつけている。  
  もっとも他にたいした作品が無いせいもあるが。
  原作 早川ミステリー文庫(「キングの身代金」)
  

9 砂の器
  原作を抜いたというよりは、原作とは別物として成功した作品である。
  ミステリーとしては、清張先生がこんなことを、と驚かされた、
  超音波を使用したSFミステリーまがいのトリックに関するエピソードが
  カットされ興趣を殺いでいる。
  しかし、有名な親子ホームレスのシーンは原作には無い。
  やはり、あのシーンは音楽も含めて映像的に見事。
  日本人で心を打たれないものはいないであろう。
  ただし、清張先生が、原作より映画が上という発言をしたというのは俗説。
  その証拠は皆無である。
  原作 新潮文庫(上・下巻)

10 あした
   赤川次郎の原作を、大林宣彦がその独自のハートウオーミングな作風で映像化し、
   原作を凌駕した。
   基本設定をバス事故から海難事故に変更したのがよかった。
   これにより物語全体にスケール感が出て、場面のポジショニングの良さ
  (特にゴ―ストが桟橋から次々と現れるシーン)が生きた。
   植木等、地井武男、岸辺一徳、出番は少ないが大前均…大林監督のキャスティング
   には、いまさらながら感心させられるものがある。
   原作 集英社文庫(「午前0時の忘れ物」)


プロが選ぶエンターティメント作品ジャンル別ベスト10(一応順不同)

現代アクション映画ベスト10
 1 ブリッコ
  刑事アクションの古典。
  SFの街を疾走するカーアクションにはトリップ感覚さえ憶える。  
  クライマックスの空港での追跡シーンも緊迫感に溢れる。
 2 フレンチコネクション
  人によっては抵抗のあるポパイ刑事のキャラだが、高架下のカーアクション、
  アンチヒーローものとしての評価を決定付けたラストシーン等名作の名に恥じない。
 3 フレンチコネクション2
  癖のある前作に比較してポパイの渡仏による敵役退治を主眼にした快作に仕上がっている。
 4 ダーティハリー
  ドキュメンタルなキャメラワークが冴えわたる全編が異様な迫力に満ちた作品。
  好き嫌いが分れるだろうが、必見の名作である。
 5 ダーティハリー2
  社会性も十分に加味された迫力満点の活劇。
 6 夜の大捜査線
  地味だが、熱気溢れる南部ロケが効果的なミステリー映画の傑作。
 7 狼の挽歌
  ブロンスンの主演作品で一番面白い作品は、ポールシリーズではなく、
  この作品である。E・モリコーネのBGMも最高。
 8 サブウエイパニック
  アイデアが秀逸。オチも洒落ている小品ながら必見の作品である。
 9 黄金の七人、新黄金の七人
  「続黄金の七人」は漫画チックな駄作だが、第1作と第3作は、
  最近には無い軽快かつスリリングな犯罪映画の傑作である。
10 ガルシアの首
  個人的に熱愛する映画。
  誰が見ても面白い他の9作品とは、やや異質の渋い作品。


194 名前:名無シネマさん 投稿日:02/08/11 (日) 05:09 ID:m5WN29ot

プロ?


195 名前:名無シネマさん 投稿日:02/08/11 (日) 05:21 ID:3Vxm1tCX

ぶりっこ


196 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/11 (日) 05:22 ID:JPm9uCLh

スペクタクル(戦争映画・史劇等含む)
 1 ポセイドンアドベンチャー
 2 タワーリングインフェルノ
  この2作はいわゆるパニック映画の古典。
  ドキュソや厨房にも受けが良いのは、「タワー…」の方だと思うが、
  人間ドラマの面白さは、格段に「ポセ…」が勝る。
 3 大脱走
  戦争スポーツアクションの最高傑作。
  マックイーンのアクションばかり話題になるが、
  ドナルドプレザンスやデビッドマッカラム等の捨て駒が皆良い味を出している。
4 特攻大作戦
  ロバートアルドリッヒ監督の最高傑作。
  特攻隊のメンツが2ちゃんねらーも失禁もののスーパードキュソばかりなのには凄い
  ものがある。
5 戦場にかける橋
  風格ある戦争映画の傑作。
  戦争の本質を描いた作品の印象が強いが、クライマッックスの鉄橋爆破を巡る攻防は
  スペクタクルとして見ても凄いものがある。

197 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/11 (日) 05:23 ID:JPm9uCLh

6 アラビアのロレンス
  ビターな味わいの大作。単なる英雄談でないのが名作たる所以である。
7 ドクトルジバコ
  恋愛映画というより、スペクタクルなロケシーンの見せ場に富む。
8 風と共に去りぬ
  これは落とせない。アメリカ映画らしい。大掛かりな文芸映画である。
  とにかくスカーレットオハラのキャラに尽きる。
9 七人の侍
  クライマックスの雨中の戦闘シーンは、アクションを超えスペクタクルである。
  勿論、人間ドラマとして見ても第1級の作品であるのは、いまさら言うまでもない。
10 大殺陣
  テロルを真正面から描き切った知られざる時代劇の傑作。
  ストーリーの面白さは言うまでもないが、通常でない登場人物たちのキャラが斬新である。

198 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/11 (日) 05:25 ID:JPm9uCLh

1.エクソシスト
  正にキング・オブ・ホラー。多くを語る必要もない。
2.エクソシスト2
  続編としては最高の出来映え。ニューシネマのようなラストが秀逸。
3.激 突
  厳密な意味のホラーではないだろうが、世のドライバーは戦慄した。
4.ジョーズ
  これも厳密なホラーな意味のホラーではない。パニック・ホラーちゅうか。
5.13日の金曜日
  第一作は余韻の残るラストが印象的な傑作。第2作以降は出来の悪い漫画にすぎない。
6.ポルターガイスト
  これも第一作はホームドラマホラーの傑作。監督のトビーフーバーよりプロデューサー
  のスピルバーグの持ち味のほうが前面にでている。
7.悪魔のいけにえ
  このスレでも紹介済みのトビ―フーバー監督の快作(怪作?)
  お化けも悪魔も出さないでホラーが成功することを証明した。
  ただし、同じ監督の「悪魔の沼」はどうしょうもない作品。
8.プロム・ナイト
  恐怖の女王ジェイミー・リー・カーチス主演のものでは最高傑作か。
  10本の中では最も無名な作品か。 物悲しい結末が印象的。
9.脱 出
  10本の中でも最も本来のホラーっぽくないがアクション映画とは言い難い展開、
  広い意味の恐怖映画には入ると思う。とにかく面白いし、恐い。
10.キャリー
  青春ホラー。前半の青春ドラマ風展開と後半のカタストロフィの対比が見事。

199 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/11 (日) 05:26 ID:JPm9uCLh

レス198は、プロが厳選したホラー映画ベスト10である。


200 名前:  投稿日:02/08/11 (日) 06:00 ID:xuulBjXI

プロ市民ですか?


201 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/11 (日) 06:02 ID:JPm9uCLh

プロが選んだ西部劇(マカロニ含む)ベスト10

1 駅馬車
  J・フォードの古典中の古典。  
  モノクロながらクライマックスの駅馬車襲撃は今見ても息を呑む迫力だ。
2 捜索者
  ヒーローJ・ウエインが、ニューロティックな主人公を演じた作品。
  痛快さより哀愁漂う佳作である。
3 リバティバランスを射った男 
  J・フォードの手になる西部英雄秘話。
  マスコミ批判の味わいも濃い。
  「捜索者」にしても巨匠フォードは結構現代にも通じる感覚の持主だったのがわかる。
4 墓石と決闘
  フォードと並ぶもうひとりのジョン、スタージェスの西部劇最高傑作は、
 「荒野の七人」でも決闘3部作でもなく、いきなりOK牧場の決闘から始まる
  番外編の本作である。
  ジェームズガーナ、ジェースンロバーズ、ロバートライアン等々渋いキャスティング
  がいい。
5 ワイルドバンチ
  やはりペキンパーはこの作品である。
  この作品こそ、男のハーレクインロマンスと言っても過言ではなかろう。

202 名前:ミステリ板住人 投稿日:02/08/11 (日) 06:03 ID:JPm9uCLh

6 ラストシューティスト
  西部の男、不死身のビッグジョンの最後の決闘である。
  後年イーストウッドが作った冗長で散漫な「許されざる者」は、
  シゲさんの手になる本作に対するオマージュに過ぎない。
7 ウイルペニー
  超地味な佳作。
  アルツハイマーなチャールトンヘストンがマッチョでない初老のカウボーイを演じて
  秀逸。2ちゃんえるに多く生息するドキュソや厨房には理解不能な大人の映画だ!
8 大いなる勇者
  ロッキーのロケが映える英雄伝説。
  ジェレマイアジョンソン、君は何処に行くのか?
9 さすらいのカウボーイ
  ピーターフォンダ監督・主演、ウオーレンオーツ共演の渋過ぎる佳作。
  こういう作品を見ると、イーストウッドが得意がって撮るウエスタンの甘さ、
  不出来さが良くわかる。
10 レッドムーン
   「おもいでの夏」のロバートマリガン監督が、
    恋愛・青春もののような淡いキャメラワークで撮った異色のサスペンス。
    これは一見あれ。
番外編 夕陽のガンマン
   マカロニウエスタンの最高傑作にして、本家の作品にも劣らない風格に溢れた作品。
   イーストウッド演じるジョーとクリーフ演じる大佐のベタベタしない男の友情には
   痺れるものがある。「続夕陽のガンマン」もいい。

邦画ジャンル別ベスト10

ではナショナルパスタイムという観点に留意したうえで、
邦画のジャンル別ベスト10を各自カキコしてみてくれ。
追って私が講評を加える。
粘着や他人に不快感を催さすほどの萌えは良くないが、
ナショナルパスタイムという観点からは、ジブリ作品、東宝怪獣映画、
東映変身ヒーロー映画、ヤクザ映画、ポルノ映画、AV、エロゲー
すべてジャンルとしては曇りの無い眼で認知すべきだと思う。
AVやエロゲーだって立派なナショナルパスタイムだと思うぞ。

邦画現代アクション(ヤクザ映画を含む)映画部門ベスト10

1 仁義なき戦い
2 仁義なき戦い 代理戦争(第3作)
3 仁義なき戦い 頂上作戦(第5作)
仁義なき戦いシリーズは、この3本を押えておけばいい。
第2作は広島死闘篇は、殺し屋の末路を描いた番外編的位置付けの作品である。
正編の完結編(第5作)以降は、ややパワーダウン気味。

4 女囚701号さそり
5 女囚さそり 第41雑居房
6 女囚さそり けもの部屋
伊藤俊也監督・梶芽衣子主演のさそりシリーズほど日本的なあるべきアクション映画はない。
そもそも日本には、からっとした痛快なアクション映画の傑作が出来る土壌は無い。
日活アクション映画が終止漫画にとどまったのがこの良い事実証明である。
なお、梶さそり最終作の第4作「怨み節」(長谷部安春監督)は、お遊びが過ぎる失敗作である。

7 県警対組織暴力

警察と暴力団の関係を描いて、綺麗事ではないリアルな迫力を感じさせる佳作。
仁義なき戦いシリーズに欠落していた警察サイドの視点が覗えて興味深い。

8 新幹線大爆破
唯一成功した日本のパニックムービーであり、シリアスな犯罪アクション映画の傑作でもある。
ケン高倉を筆頭に主演陣ひとりひとりの熱演が光る。

9 戦国自衛隊
この作品は時代劇ではない。
またベスト10を作成出来るほど邦画にSF映画の傑作は存在しない。
現代の自衛隊がタイムスリップしたという設定だし、内容的には壮絶なアクションが満載
なので、あえてこの部門に入れた。
10 蘇える金狼
鬼才大藪春彦先生の作品中、唯一の映画化成功作品。
ただしラストは大藪テイストとは大きく異なり、不満が残るところだ。

時代劇部門ベスト10
1 七人の侍
2 用心棒
これは月並みだが仕方ない。テイストは異なるが、いずれも面白い映画であるのは間違いない。

3 大殺陣
前にも紹介したが、テロルを描いた東映集団時代劇の傑作である。
世評高い「十三人の刺客」よりこちらの方が面白く、物語もシビアでアイロニーに富む。

4 大殺陣―雄呂血
「雄呂血」はオリジナルの板妻作品が有名だが、この市川雷蔵主演によるリメークの方が
出来映えとしては上である。見せ場はクライマックスの大立ち回りだが、
苛酷な運命に弄ばれるかのような主人公の苦悩を見事に雷蔵が演じ切っている。

5 忍びの者・続忍びの者・新忍びの者
忍びの者シリーズは、雷蔵が五右衛門を演じた初期3作を見ればいい。
またストーリー的にも連続している初期3作はまとめて1本で評価すべきものである。

6 忠臣蔵(58年 大映)
日本人なら忠臣蔵を見ないわけにはいかないだろう。
長谷川一夫が大石、雷蔵が浅野を演じた58年の大映作品を見ておけばいい。

7 水戸黄門(57年 東映)
ガタやんの水戸黄門は落とせない。この57年作品を押えておくこと。
悪役顔負けの凄みのある光圀である。

8 徳川セックス禁止令 色情大名
一見ふざけた映画と思われるが、
実は残酷さとユーモアの中に人間の愚かしい本性を描いた快作である。

9 好色元禄(秘)物語
エロ映画と思われだが、実は息詰まるような封建制の中における
女性のたくましい生と性を描いた快作。

10 徳川いれずみ師 責め地獄
鬼才石井輝男作品ではこれだと思う。凄惨にして苛烈なり。

番外 歌麿〜夢と知りせば
なぜか実相寺作品は、番外という感じがする。
岸田森の狂演(この表現が言い得て妙)が見物。

怪獣映画部門ベスト10
 1 ゴジラ
 2 ゴジラの逆襲
 3 キングコング対ゴジラ
 4 ゴジラ対メカニックゴジラ
 5 メカニックゴジラの逆襲
 6 ゴジラVSキングギドラ
 7 大怪獣ガメラ
 8 大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン
 9 大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス
10 ガメラ2 レギオン襲来

全体的にオーソドックスなセレクションかと思う。
東宝ゴジラシリーズが6本、大映ガメラシリーズから4本。
日本固有の文化である怪獣映画というジャンルが、
この2シリーズにより形作られて来たのが良くわかる。
東映(変身ヒーローものは除く)、松竹は遂に怪獣映画の傑作を生み出すには
至らなかったのだ。

平成シリーズからはゴジラ、ガメラ共に1本しかランク入りしていない。
「ガメラ2 レギオンの襲来」は、日本SF大賞を受賞しただけあり、
やや自衛隊賛美の傾向が感じられるものの、見ごたえのある力作である。
「ゴジラVSキングギドラ」は、過去のシリーズ作品に対するオマージュ満載の
物語とキャストで楽しめる一編。


389 名前:名無シネマさん 投稿日:02/08/13 (火) 13:01 ID:npAFsjlR

なんか・・・こいつのベストテンを見ていて分かることは、
こいつの映画に対する趣味や感覚じゃなくて
こいつが通ってるレンタル・ビデオ店のオヤジの品揃えの傾向が如何なるものか
って ことに尽きるんだけど・・・これって皆さん、気付いてることなの?


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