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◆女子プロゴルフツアー マスターズGCレディース最終日(23日、兵庫・マスターズGC=6502ヤード、パー72)横峯さくら(24)=エプソン=が7番でホールインワンを達成するなど1イーグル、3バーディー、1ボギーの68で通算10アンダーとし今季2勝目を達成した。ツアー通算17勝目を飾り、賞金ランクトップのアン・ソンジュ(23)=韓国=ら韓国勢の勢いを止めるとともに、逆転賞金女王へ望みをつないだ。1打差2位には馬場ゆかり(27)=フリー=、3週連続優勝のかかっていたアンは23位だった。
拳を天高く何度も突き上げた。さくらの“季節外れ”の笑顔がグリーン上に咲いた。「いろいろあった18ホール。緊張もしたしすごく疲れました」
ミラクルが背中を押してくれた。5番でチップインバーディーを奪い首位・馬場に並ぶと、興奮が最高潮に達したのは195ヤードの7番パー3。9ウッドから放たれたボールは、思い通りの弧を描きピン手前7メートルに着弾。そのままカップに一直線に吸い込まれた。
「ホールインワンとかミラクルが起こってくれた」。プロ転向後ではツアー初のエース。キャディーらとハイタッチを交わし喜んだが「まだ7番」と気も引き締めた。続く8番。記念ボールはギャラリーに投げ入れる選手が多いが「縁起がいい」とそのまま使用。バーディーとしリードを広げた。
5月のフンドーキンレディースからの5か月は長かった。その間に韓国勢がツアーを席巻。昨年の女王として周囲からの“騒音”に苦しみ、先週まで2週連続でアンに優勝を許し落ち込んだ。一方で「もう通り過ぎました」とプレッシャーからも開放された。そして迎えた久々のチャンス。「前までなかった欲が出た」
大会の2日前に、コース近くの八雲神社を訪れ、さい銭を160円。知人から「縁起がいい」と聞いた100円玉、50円玉、10円玉の色違い、穴の開いた硬貨を交ぜ“神頼み”した御利益もあった。国内が主戦場の日本人選手が優勝したのは日本女子プロの藤田幸希以来、6試合ぶり。「危機を乗り越えられた。誰かが止めないといけない中で私が止められた」
今回、優勝を逃せば絶望的だった2年連続の賞金女王も可能性が出てきた。「ゴルフは何が起こるか分からないことは昨年に実感した。頑張ります」。昨年は一時、約4400万円あった諸見里しのぶとの賞金差を逆転。史上最大の逆転劇を演じ女王に輝いた。「顔晴る(がんばる)」は最近、ブログなどでお気に入りのフレーズ。この日のホールインワンそして優勝は、奇跡のドラマへの序章に過ぎない。
◆女子初の4年連続1億円突破へ王手 優勝し横峯の今季の獲得賞金は9240万4099円。今週の樋口久子IDC大塚家具レディスで優勝すれば、不動裕理(03~05年)と自身の持つ3年連続1億円突破の記録を塗り替える。
◆横峯とホールインワン ツアーではアマチュア時代の04年シャトレーゼクイーンズカップの第1ラウンドの17番で記録。プライベート、練習ラウンドを含め今回で人生3度目。
◆優勝とホールインワン 優勝者が優勝大会の最終日にホールインワンを達成したのは、横峯で4人目。過去、1995年那須小川レディスで塩谷育代、2000年ゴルフ5レディスで元載淑、08年ライフカードレディスで馬場ゆかりが記録している。
(2010年10月25日10時53分 スポーツ報知)