公平と言うこと

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私見

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日教組を目の敵にする、馬鹿右翼

 別に日教組を擁護するつもりはないが、右翼活動家が日教組の大会などで暴力的な威嚇をよく耳にする。
 
 彼らの主張は、戦後教育の間違いは、日教組が思想的な教育をしたと言うことに対するアジテートだが、右翼連中や保守系論客たちは、日教組と言う団体の真実の姿を知った上での批判なのだろうか?と疑いたくなる。
 
 日教組は、労働組合の一種で、教師が労働者としての団体交渉の窓口でしかない。彼らが、日の丸掲揚や君が代斉唱を拒否したり、あるいは、教科書の選定で拒否するのは、思想信条の強制をするなと言う一点である。間違っても教科書の内容を著しく変えて生徒に教育を施すという事は、殆どできないと言うのが現実である。
 
 もし、右翼が教育現場に於いて、その様な事実を現実のものとして知っているのだとすれば、それは、そのまま教育委員会に報告するだけで十分に効果ある批判となり得る。
 
 わが国の場合、教科書は、国定教科書であり、その内容は文部科学省によって厳密に精査されたものであり、この教科書の内容から逸脱する教育が現場でなされた場合、その教師は、懲戒の対象となる。
 
 無論、全く教師個人の思想や心情を排除する事は不可能だが、許容範囲内で行われているはずで、もし逸脱がわかれば、PTAなどからの突き上げがあり、到底、それらに抵抗できるものではない。
 
 つまり、日教組の存在は、単なる労働団体であり、それ以上でもそれ以下でもないのである。
 
 戦後教育の問題点は、日教組にあると言うより、文部科学省の教育方針のブレあるいは、現場無視のカリキュラム等に収斂する。
 
 その文部科学書の間違いを、さも教育現場の教師にあると責任転嫁した結果、その事実を知らない、あるいは確信犯的に知ろうとしない、右翼団体や保守系論客たちを動員しての労働団体潰しになっていると思っている。
 
 自民党の議員などにも見られる日教組批判は、戦後教育の反省を、そのまま日教組に転嫁する事で自らの責任から逃避した醜い姿でしかない。
 
 橋下大阪府知事が「日教組の馬鹿が」と発言したが、それは、教育現場と教育に関わる人々の現実に対して無知からくる軽薄な批判でしかない。
 
 大阪が、全国的に見て教育程度が低いのは、日教組や現場の教師の能力によるものではなく、府民性にかかるものである事に間違いない。
 
 大阪は、江戸期から商人の町であり、武家と言う形式だけに囚われた社会とは一線を画す形で独特の文化を形成してきた。結果、価値観の多様性、個人主義の台頭などで、江戸を文化の基本とした東京とは、全く違った文化形成の町といえる。この違いが、教育程度(学習程度)の違いを如実に表していると言っても過言でない。
 
 同じ関西圏にあって、受験校として名高い 灘中学や高校は隣の兵庫県にある。大阪にも有名な進学校もあり、全体的な平均は低くても、高い教育レベルを有する生徒も少なからず存在している。つまり、これが価値観の多様性である。商売人になるのに高等学問は必要ないと言う歴史的な文化もあり、そこが東京との圧倒的な違いである。
 
 橋下知事は、そのあたりに大きな誤解があり、それをそのまま日教組の所為にするのは浅薄としか言いようのない発言である。
 
 この批判は教育の現場を思想的な背景を持って批判したのではなく、教育の仕方あるいは、目的に知事と現場の教師の間に乖離がある為のものである。
 
 しかし保守や右翼は、その思想的な部分に於いて、的外れな批判を繰り返し、結果、それが暴力的な威嚇となって表現される。これは、如何にも問題なのだが、今までの自民党政権に於いて、自らの戦後教育(文部科学省)の間違いから逃避する形で行われていたのである。その間違った認識が、そのまま日教組批判となり、現在の右翼によ街宣と言う状況を生んでいる。
 
 日教組が戦後教育で、間違ったのは、ただ一点であり、それは意味のない
「平等教育」と言う不自然な子供社会を強制的に作り上げた事である。
 
 子供の才能やあるいは理解度、成長度などを無視して、生徒は、須らく平等の名の下に教育してきたと言う部分に於いてのみ、責任があると思っている。
 
 その為に、子供社会が自然に形成する子供たちの中の序列などを、完璧に無視して、社会でもあり得ない平等な子供社会と言う歪な人間関係を形成してしまった。この事が、現在の学校内暴力や集団的な苛め、学級崩壊などを招いていると考えている。そういう意味に於いて日教組は、反省しなければならない。この点を批判するのであれば、あながち間違いではないが、何故、思想面での批判ばかり取り上げるのか、また、戦後教育の間違いの最大の責任と言う形での批判は、本末転倒であると思われる。
 
 もし、日教組が思想教育を行っていたとすれば、右翼や保守系論客など戦後教育を受けた者から出るはずはない。殆どが左翼系の思想保持者となっている事だろう、しかし現実は違う、大半の生徒があるいは卒業生が、自らの思想を高等教育からあるいは、社会から受け取り、それなりのバランス感覚で、成人しているではないか。つまり日教組の個別における思想教育などの、何の意味のない事であるのだ。
 
 共産主義者の陰謀であるかのごとくの批判や責任転嫁は見苦しい限りで、戦後教育がもし、間違っているとするなら、その責任の殆どは、文部科学省にあり、それを支持し続けた保守系の政権である自民党政権にあるといっても過言でない。
 
 自らの責任回避のために、日教組悪者論を展開する保守系政治家の悪辣な責任転嫁は、まさに卑劣漢と言われも反論できまい。
 
 

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