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◆全日本大学女子駅伝対校選手権(24日、仙台市陸上競技場~仙台市役所前広場=6区間38・6キロ)佛教大が2時間2分44秒の大会新記録をマークして、史上5校目(立命大は2度)の連覇を達成した。1区で森知奈美(2年)がトップに立つと、3区で主将の西原加純(4年)、最終6区では吉本ひかり(3年)の主軸コンビがそろって区間新を出す激走を見せ、2位・立命大に1分36秒差をつけて圧勝した。なお、両校と名城大、松山大、城西大、鹿屋体大までの上位6チームが来季シード権を獲得した。(天候・曇り、気温17・5度、湿度65%、南西の風0・5メートル=スタート時)
主催 日本学生陸上競技連合、読売新聞社
共催 仙台市
運営協力 東北学生陸上競技連盟、宮城陸上競技協会、仙台市スポーツ振興事業団
後援 報知新聞社、文部科学省、宮城県、日本テレビ放送網、宮城テレビ放送
特別協賛 スターツグループ
協賛 大塚商会、トヨタ自動車、パナソニック
連覇のゴールテープを目前にして、佛教大のアンカー・吉本が右手を突き上げた。もちろん、人さし指と中指を開いた「V2」のポーズだ。「不安もあったけど、1区からの流れもあって伸び伸びと走れた」。3年連続で最終区間を任されたアジア大会日本代表も、拍子抜けする強さ。大会新で初制覇した昨年の記録を48秒短縮した。
独走を決定づけたのは、主将の西原だった。3区は9・1キロの最長区間。24秒差で追う2位・立命大は田中華絵(3年)で追い上げを狙ってきた。前哨戦といえる9月の関西学生対校女子駅伝は、このエース対決に27秒差で負けた。だが、大一番では違った。区間新の快走で、逆に55秒差に広げた。西原と吉本の「Wエース」が圧倒的な存在感を見せつけた。
「個人的には故障続きで苦しい日々。チーム力を上げるためにも苦しんだ。今日のために頑張ってきてよかった」。こう振り返った美白キャプテン。森川賢一監督(52)から、1年間奮闘したねぎらいを受けた。
9月19日、森川監督の母・晶子さん(74)が4年に及ぶ闘病の末、他界した。3きょうだいの長男で、葬儀の喪主を務めた指揮官は「すでに練習日程を決めていたので」と、通夜が行われた翌20日の午後以外、グラウンドに姿を見せた。
晶子さんは亡くなる直前、大学スタッフに「仙台へ見に行きたい」と話していたという。だが、その思いはかなわなかった。「体の状態が悪いとは聞いていたのですが…。走ることで恩返しできればと思っていました」と西原。悲しみを心にしまい、気丈に振る舞い続けた指揮官に、最高のプレゼントを贈った。
今年は28人に部員が増えたことから、積極的に各地の駅伝に参戦した。関西の学生大会では3チームを編成して臨むこともあった。「いろんな大会に出して『全員駅伝』でやるんだ、というモチベーションを上げることだけを考えていました」と森川監督は説明した。選手層の厚さは黄金時代を意味する。「今年以上のチームをつくっていければいいと思います」。高らかに誓った3年生エース、吉本を先頭に、常勝軍団へ歩み続ける。
◆佛教大陸上部・女子中長距離部門 陸上部から独立して00年に創設され、同年の全日本大学女子駅伝に初出場。大学の強化指定クラブとして支援を受け、02年には3位。森川監督が就任した06年以降、3位、2位、2位と順位を上げ、昨年初優勝。主なOGは木崎良子(ダイハツ)。部員は28人。
(2010年10月25日10時40分 スポーツ報知)