10月17日。阪神はCS第1ステージで巨人に敗れ、25年ぶりの日本一への夢が途絶えた。日本球界に5年ぶりに復帰した城島健司を追いかけたシーズンが終わった。最後は藤川−久保田の必勝リレーが崩され、敗れた。痛い敗戦だった。多くの選手、コーチの口調が重くなったが、それでもジョーは最後までジョーだった。紙面に載せきれなかったすべてのコメントを伝えたいと思う。
−−藤川は直球の制球が定まらなかった
「その状況でもいいボールを探して、結果をつけてあげたかった。それがキャッチャーの仕事だから。(調子が)良いときは、ほうっておいても良い。悪い時に結果をつけてあげるのが仕事。きょうはうまくいかなかった。キャッチャーとして残念だし、情けないという気持ちです」
−−2アウトからの失点
「3アウト取るまで何があるか分からない。それが野球ですよ。2アウトからの失点も数多く経験してきたから、油断はなかった。久保田も球児も百戦錬磨のピッチャーですから」
−−味方のエラーが痛かった
「野手とは助け合です。1つのエラー、ミスが出たときに、野手のためにも抑えてあげるのがバッテリーの鉄則。キズをナメあうのではなく、キズを最小限にしてあげるのが、チームワークですから」
−−この敗戦で今季が終わった
「タイガースは2位ですよ。この2試合は連敗しましたし、ふがいない試合だったかもしれませんが、144試合まで否定することはないですよ。僕は堂々と戦ってきたし、胸を張れる。久保田、球児で勝ってきた試合も数知れない。この2試合で彼らをどうこういうことはないですよ。うまくリードしてあげられなかったことには腹が立ちますし、こういう試合になりましけど、後悔はないです」
最後の最後まで堂々と報道陣に対応していた。敗戦後にこれだけ丁寧に話をしてくれる選手はそうはいない。城島を追いかけた10カ月間で、改めて存在の大きさを感じた。シーズンが終わった今、もう1度彼のコメントを読み直してみることにする。来季、もっと深い話ができるように。(高瀬悟嗣)