2010年10月26日3時0分
会社更生手続き中の日本航空は25日、パイロット約130人に対し、再び「白紙」の乗務スケジュール(11月分)を渡し、自主退職を促した。リストラ対象者の「乗務はずし」は10月に続いて2カ月連続。日航は目標の削減数に届いていないとして、客室乗務員約140人とあわせた計約270人の希望退職者を、11月上旬をめどに改めて募集する。それでも退職者が集まらない場合、整理解雇に踏み切る方針だ。
パイロットは社内規定により、乗務しない期間が60日を超えると、シミュレーターによる復帰訓練が必要になる。2カ月連続で乗務を外されたパイロットは、資格のうえでも、乗務復帰が遠のいたことになる。
日航は9月以降、全職種で計1500人を目標に、おおむね45歳以上を対象に、希望退職(退職日は11月30日)を募集してきた。
パイロットの削減目標は約370人。日航は55歳以上の機長や45歳以上の副操縦士を対象に、10月からの乗務を外すなどして退職を促してきた。だが応募を締め切った22日の段階で、目標を約130人下回ったため、応じなかったメンバーに改めて白紙のスケジュールを突きつけた。
日航は客室乗務員に対しても、対象者は乗務させずに「(地上)待機」とするなどして退職を促してきたが、こちらも目標の約660人に約140人足りないとみられる。日航は対象年齢を下げるなどして、厳しく退職を求めていく。
この日、2度目の白紙のスケジュールを受け取った副操縦士(53)は、「会社の対応はあまりに性急で強引。辞めたくても辞められないのに……」と嘆く。
初めて白紙のスケジュールを突きつけられた先月以来、中国など海外の航空会社の求人にも目を通しているが、対象はほとんどが機長資格があるパイロット。50歳を超えた副操縦士にとって、再就職はかなり厳しい。