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【医薬最前線】第4部 命と採算の狭間で(3) 高額な薬剤費 健保脱退迫られ (1/3ページ)

2010.10.26 00:28

 患者数が少なく、販売量が見込めないことから製薬会社が開発を敬遠する希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)。どうにか、創薬までこぎ着けたとしても、莫大(ばくだい)な開発費が販売価格に上乗せされるのが市場の原理だ。高額な薬価がネックとなり、患者が必要量を使えないケースもある。

 「命に直結している薬なのに、医療側が萎縮(いしゅく)して必要量が使えないなんて…。本当に不幸なことです」

 肺動脈の血圧が上がり、進行すると心不全で亡くなる恐れのある「肺高血圧症(PAH)」の患者らでつくるNPO法人「PAHの会」の村上紀子理事長は訴える。

 村上さんの長女(29)は平成8年、PAHと診断され、医師から「余命半年」と宣告された。14年前のこと。原因は不明。患者数は現在、国内に約8千人しかいない「希少疾病」だ。

 あらゆる手を尽くして、治療法を探した。すがったのが、米国で医師をしている親戚(しんせき)からもたらされた、「こちらでは治療薬がある」という情報だった。

 肺動脈を広げ、血圧を下げる作用がある「フローラン」という薬だった。

 即座に家族で渡米した。

 日本では「余命半年」を宣告されたまな娘の病状は、フローランの投与を受けると改善した。2カ月後に帰国。薬を個人輸入して投与を継続した。

 しかし、未承認薬で医療保険が適用されない。1カ月の薬代は100万〜200万円にもなった。

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