自殺:群馬・桐生で小6女児 「いじめが原因」と父親

2010年10月25日 20時21分 更新:10月25日 22時56分

記者会見に応じる桐生市立新里東小の岸洋一校長=桐生市新里町新川の市立新里東小で2010年10月25日、角田直哉撮影
記者会見に応じる桐生市立新里東小の岸洋一校長=桐生市新里町新川の市立新里東小で2010年10月25日、角田直哉撮影

 群馬県桐生市の市立新里東小6年、上村明子さん(12)が今月23日、同市内の自宅で首つり自殺をしていたことが県警や家族の話で分かった。父親の竜二さん(50)は「学校での同級生のいじめが原因」と訴えており、桐生市教育委員会は事実関係の調査を始めた。

 竜二さんによると、明子さんは23日正午ごろ、自室のカーテンレールにマフラーをかけ首をつっているのを母親(41)に発見され、病院に搬送されたが間もなく死亡した。遺書は見つかっていない。

 明子さんは08年10月に名古屋市内の小学校から転校。竜二さんによると、09年に5年生になると一部の同級生に「臭い。あっち行け」と言われたり、無視されるようになった。担任に相談した後に収まったが、6年になると再び無視などをされていたという。

 母親によると、今秋から給食は決められた席でなく、好きな人同士で食べるようになり、孤立して欠席しがちになった。今月20日に担任から「あすは校外学習なので来てください」と言われ翌日登校すると、同級生に「こんな時だけ学校くるな」と言われ泣き帰った。自殺に使われたマフラーは明子さんが母親にプレゼントするために編んでいたものだったという。

 明子さんについて同じ6年の男児(12)は毎日新聞の取材に「同級生に『あっち行け』などと言われ、悲しそうな顔をしているのを見た」、別の6年男児(11)は「物静かで、いじめられても先生に言いつけたりしなかったと思う」と話した。

 竜二さんは「6年になってから学校側に10回以上相談したが、具体的な解決策は示されなかった」と話している。中学進学を機に引っ越す計画を立てていたという。

 会見した新里東小の岸洋一校長(59)は「(一部の同級生との関係が)良くない状態にあったのは間違いないが、いじめという認識はなかった。明子さんに嫌なことはないか話を聞くこともあったが『特にない』と答えていた」と話した。【塩田彩、喜屋武真之介、角田直哉】

top
文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

 

おすすめ情報

注目ブランド