2010年8月26日 9時35分 更新:8月26日 13時17分
民主党の小沢一郎前幹事長は26日午前、東京都内で鳩山由紀夫前首相と会談し、党代表選(9月1日告示、14日投開票)に出馬する意向を伝えた。会談後、小沢氏は記者団に「代表選に出馬する決意をした」と表明した。代表選には再選を目指す菅直人首相が出馬の意向を表明しており、首相と小沢氏の一騎打ちになる見通し。鳩山氏は小沢氏との会談後、記者団に小沢氏を支援する考えを明らかにした。
代表選の最大の争点は首相の「脱小沢」路線の是非となる。また、参院選大敗での菅首相の責任や衆院選マニフェストの見直し、小沢氏の抱える「政治とカネ」なども焦点。党分裂含みの激しい選挙戦となる。
小沢氏は26日、鳩山氏との会談後、記者団に対し、「鳩山前首相から『代表選の出馬の決断をするならば自分としては全面的に協力し、支援していきたい』というお話をいただいた。今日、鳩山前首相の前で、不肖の身だが、代表選に出馬する決意をした」と述べた。
一方、挙党態勢の構築を条件に、首相を支持する考えを示していた鳩山氏は「(03年の民主党と自由党の合併で)私の一存で小沢先生に民主党に入っていただいた。その経緯から応援をすることが大義だ」と述べ、一転、小沢氏の支持を表明した。鳩山氏はこれまで対立回避に動いてきたが、25日夕の菅首相との会談で首相が人事面での譲歩を拒否したため、小沢氏支援を決断したとみられる。
鳩山氏の小沢氏支持により、代表選の行方は混とんとし、激戦となることは確実だ。小沢グループの中堅・若手議員でつくる「一新会」は26日昼、都内で会合を開き、約20人が集まり気勢を上げた。6月の代表選に出馬した樽床伸二国対委員長も同日、国会内で三井辨雄国対委員長代理と会い、今後の対応を協議するなど、各議員の動きが活発化している。
一方、前原誠司国土交通相や野田佳彦財務相のグループは首相支持を表明ずみ。しかし、前政権の政権運営の中心だった「小鳩」体制の復活は、同体制の下で初当選した大票田の衆院新人議員や党内の中間派へ大きな影響を与えるとみられる。【須藤孝】
民主党代表選は2年の任期満了時に行われる場合、地方議員や党員・サポーターも投票して「ポイント」を争う。412人の国会議員には1人2ポイントを配分。地方議員には全国の党所属議員全体に100ポイントが割り当てられ、得票割合に応じてドント式で各候補に振り分ける。党員・サポーター票は300ポイントで、衆院300小選挙区ごとに投票して最多得票の候補が1ポイントを得る。今回は計1224ポイント。