最高検 不要なメモの廃棄指示
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最高検 不要なメモの廃棄指示

10月24日 18時57分 twitterでつぶやく

厚生労働省の局長だった村木厚子さんが無罪になった裁判などで検察官が取り調べのメモを廃棄していた問題で、最高検察庁が、おととし、検察官が必要ないと判断したメモは速やかに廃棄するよう全国の検察庁に指示していたことがわかりました。専門家は「被告に有利なメモがあっても廃棄されることになり、きわめて不適切だ」と批判しています。

無罪が確定した村木厚子さんの裁判では、大阪地検特捜部の検察官6人が、取り調べの際にとったメモをすべて廃棄したと証言したほか、先週、広島地検でも、少年院の職員が暴行したとされる事件でメモが廃棄されていたことが明らかになり、弁護側が最高検に調査を申し入れるなど、相次いで問題になっています。NHKでは、最高検察庁が、おととし、取り調べのメモについて全国の検察庁に出した通知とその解説文を入手しました。この中で、最高検は、検察官が裁判で必要ないと判断したメモは速やかに廃棄するよう指示していたことがわかりました。解説文で、最高検は「必要性の乏しいメモを安易に保管しておくと、メモを開示するかどうかで無用な問題が生じかねない。裁判所が取り調べの状況について判断するうえで必要なメモは保管し、それ以外のメモは、プライバシー保護などの観点から速やかに廃棄すべきだ」としています。これについて、元裁判官で法政大学法科大学院の木谷明教授は「最高検の通知は、検察官に役立つメモ以外は廃棄せよという指示で、被告に有利なメモがあっても、弁護側には明らかにされず廃棄されることになり、きわめて不適切だ」と批判しています。取り調べのメモについて、最高検は「村木さんの無罪が確定した事件の検証を通じて、今後、メモの保管をどのようにするのか検討する」としています。