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仙台銀、きらやか銀が統合へ 持ち株会社設立、あすにも発表
仙台銀行ときらやか銀行(山形市)が来年度中にも持ち株会社を設立し、経営統合する方向で最終調整に入ったことが25日、分かった。26日にも正式発表するとみられる。将来的な市場縮小や競争激化を見据え、生き残りには規模拡大による経営基盤の強化が必要と判断したもよう。実現すれば、東北の地方銀行、第二地銀13行1グループのうち、預金残高で8位の規模となる。 仙台、きらやか両行の預金残高は単純合算で1兆8489億円(今年3月末)。県境を越えた地銀の経営統合は、東北では荘内銀行(鶴岡市)と北都銀行(秋田市)の統合で2009年10月に誕生した持ち株会社フィデアホールディングス(HD、仙台市)に続き、2例目となる。 仙台銀行は東北経済の中心地である仙台市に本拠を置きながらも、収益力の弱さが課題だった。宮城県外の金融機関が仙台圏に相次いで進出する中、競争を勝ち抜くには合従連衡が不可避と判断したとみられる。 きらやか銀行は近年、地域経済の疲弊を背景に仙台圏に活路を見いだし、攻勢を強めてきた。宮城県内に分厚い店舗網を持つ仙台銀行と経営統合することで、仙台圏攻略の足場を固める狙いがあるとみられる。 仙台銀行は今年9月中間連結決算で、経営破綻(はたん)した消費者金融大手、武富士(東京)関連の債券10億円を損失処理する影響などで、純損失に陥るもよう。 きらやか銀行は09年9月、経営基盤強化を目的に公的資金200億円の資本注入を受けた。今年7月には元行員が顧客の定期預金を着服した問題で、東北財務局から業務改善命令を受けている。 両行は経営統合について「現時点で決定した事実はない」とコメントを出した。
[仙台銀行]1951年設立。非上場。資本金74億8500万円。3月末時点の店舗数は71店、従業員数は822人。3月末の預金残高は7578億円、貸出金残高は5129億円。連結自己資本比率は8.56%。
[きらやか銀行]2007年5月、殖産銀行と山形しあわせ銀行の合併で誕生。東証2部上場。資本金177億円。3月末時点の店舗数は117店、従業員数は983人。3月末の預金残高は1兆911億円、貸出金残高は8772億円。連結自己資本比率は10.37%。
2010年10月25日月曜日
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