2010年10月25日3時21分
その結果、難関大学ではセンター試験での結果で差がつかなくなり入学者選びに役立ちにくい一方、学力が一定程度に達していない受験生には問題が難しいという指摘も出てきた。同一試験で全体の学力を把握するのが難しくなっていると指摘され、早めに手を打つ必要が出てきた。
センター試験については、今春の事業仕分けや、文部科学省による09年度業務実績評価でも、入試センターが入試改善を視野に入れた取り組みの中心的役割を果たすことが必要と指摘された。同時に今後の検討についても文科省は理解を示している。
同センターは11年度から始まる5年間の中期目標、中期計画に本格的な入試改善を進めることを盛り込む考えを固めている。入試改革を議論する理事長の私的な懇談会を11月中にも開き、議論を始める予定だ。(編集委員・山上浩二郎)
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〈大学入試センター試験〉 例年1月に2日間の日程で実施されている。利用大学は増え続け、2011年1月は829大学・短大になる。国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の各科目から出題される。79年から国公立大が共同で利用した共通1次試験に代えて、私立大学も利用できるように90年に現在のセンター試験が始まった。参加する大学・短大が自由に教科・科目を指定できる「アラカルト方式」をとり、学部学科試験での利用方法は任されている。成績は、利用大学が志願者の試験結果をセンターに請求して、提供を受ける。