2010年10月25日11時56分
中国政府の漁業監視船2隻が24日夜、尖閣諸島近海の日本の領海に接する接続水域に進入していたことがわかった。第11管区海上保安本部(那覇市)によると、中国漁船と海上保安庁の巡視船が衝突した先月7日以降、中国の監視船は接続水域で先月10〜17日、24日〜10月6日にも確認されており、頻度が増えているという。
同海保によると、10月24日午後9時前後、魚釣島の北北西33キロと37キロの別の接続水域内の場所で、中国の監視船が1隻ずつ確認された。海保巡視船が領海内に入らないよう無線などで注意し、2隻は午後10時半ごろまでに接続水域から出た。周辺に中国漁船は確認できなかったという。
国連海洋法条約によると、自国の領海の起点から24カイリを超えない範囲にあたる接続水域では出入国管理や通関などで規制が可能。海上保安庁は最近の中国監視船の進入を示威行為とみている。政府は先月27日までに、中国政府にこうした行動をやめるよう4回にわたり要請していた。
仙谷由人官房長官は25日午前の記者会見で、今回の監視船の進入について、外交ルートを通じ中国政府に抗議したことを明らかにした。本来の中国漁船の操業監視業務ではないとの見方を示し、「接続水域を徘徊(はいかい)する活動は、あまり気持ちよくない。なんのためにやっているのか」などと述べ、不快感を示した。