続く広場封鎖 地元困惑 普天間飛行場内 米軍が3週間

野球や駐車に支障

2010年10月25日 09時31分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録
(1時間27分前に更新)

 【宜野湾】1970年代から駐車場や運動場として市民に開放されてきた宜野湾市の普天間飛行場内の通称「市民広場」を、米軍が突然封鎖してから3週間以上が過ぎた。毎日数百台あった通勤通学の車は行き場を失い、少年野球チームの練習や老人会のグラウンドゴルフもできない状態だ。きっかけは、騒音激化に対する市民の抗議集会。「まるで子どもの嫌がらせ」「無関係の場所なのに、なぜ…」。“良き隣人”の振る舞いに、地元は振り回されている。(鈴木実)

 「イチ、ニッ」。中学生たちが、アスファルトの上でランニングや素振りを繰り返す。夏の甲子園で優勝した興南高校の国吉大陸選手をはじめ、高校野球やプロ野球に何人もの人材を送り込んだ宜野湾ポニーズ。毎日練習していた市民広場の野球場が使えなくなり、仕方なく隣の市消防本部裏の駐車場や雑草地で体を動かす。

 「急にほかの練習場所を探すのは難しい。今後も閉鎖が続くのかどうかも分からず、『いつまで貸してくれ』と話を持ち掛けることもできない」。知名朝雄監督(62)は頭を抱える。

 市内のある専門学校では、学生は市民広場に車を止めてそこから学校側の送迎車両に乗る仕組みだったが、急きょ別の有料駐車場に変更した。

 これまで市民広場はほぼ年間を通して無料開放されており、野球場やゲートボール場が整備されているほか、数百台が駐車できる空き地もある。

 米軍が広場を閉鎖したきっかけは、1日に市野嵩の基地ゲート前で開かれた抗議集会だ。

 普天間飛行場周辺は、嘉手納基地の滑走路改修に伴うダイバート(目的地変更)訓練などで先月後半から騒音が激化。このため普天間爆音訴訟団や労組のメンバー約150人が集会を開き、道交法違反を理由に制止する警官隊と小競り合いも起きた。

 米軍はその間に、集会場所とは約500メートル離れた市民広場を「保安上の理由」で突然封鎖。その後も土日以外の閉鎖を継続しており、元通りに開放されるのか見通しは立たない。閉鎖初日に米軍の憲兵隊に抗議した桃原功市議は「120デシベルを超える異常な爆音にさらされている市民が抗議するのは当然。米軍の対応は脅しでしかない」と批判した。

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