キーボードを科学する。(6/6)
指の負担と両手のバランス
打鍵数が少ないことはラクに打てる第一条件であるが、人が使う道具という視点で考えれば、「使いやすさ」にもっと注目してもいいのではないだろうか。 親指シフトは前述したように、指の使用率・左右の手の交互打鍵によって、スムーズかつリズミカルな入力環境を提供している。
指の使用率をみると、親指シフトは動きやすい人差指からバランスよく配列されていることがわかる。それに引きかえ、JISキーボードは使いにくい右手小指の比率が非常に高い。
また、親指シフトなら、指を置いたままのホームポジションで約63%、その上の段を加えると約90%の文字が打てることになる。これが、キーボードを見ないで打鍵するタッチタイピングを容易にしている理由でもある。
●入力方式別指の使用率
実際の入力で検証してみると、親指シフトは入力がラクなポジションでほとんどの文字が打てることがわかる。次の結果は、親指シフトと新JISキーボードはホームポジションとその上の段、JISキーボードは中2段で打った場合を示している。■は、指定の段で出ない文字。
●文字の入力比較
[入力文書]
新聞記者が猛烈な勢いで記事を打って電子メールで送信するといった風景は、もう日常のこととなりました。
[親指シフトキーボードの場合]
しん■んきしゃがもうれつないきおいできじをうってでんし■■るで■うしん■るといった■うけいは、もうにちじょうのこととなりました。
[JISキーボードの場合]
しん■んきし■が■■れ■ないき■いできじ■■■てでんし■■■で■■しん■るといった■■けいは■■■にちじ■■の■ととなりました■
[新JISキーボードの場合]
しんぶんきし■がもう■つないきおいできじをう■てでんしめ■■でそうしん■■とい■たふうけいは■もう■ちじょうの■ととなりました■
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