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キーボードを科学する。(3/6)
●親指シフトキーボード
親指シフトキーボードは、前号でもご紹介したように、「指でしゃべるように日本語をかな入力する」ために開発されたキーボードだ(1979年)。画期的なアイデア『親指との同時打鍵』で、かなを3段30キーに配列することに成功。この配列は、日本語の各音の出現頻度をもとに行われている(詳しくは、前号の座談会参照)。さらに、
- 指の使いやすさ
人差指がいちばん使いやすく、小指がいちばん使いにくい。
- 指の上下動
上・中・下段の列の使いやすさは、中段(ホームポジション)、上段、下段の順。
- 指の連続使用
同じ指、隣り合った指の連続使用は避ける。
- 両手のバランス
同じ側の手ではなく、左右交互に使うほうが打ちやすい。
という人間工学をも加味した設計となっている。よって、親指シフトは、すべてのかなを1ストロークで入力できるほか、指への負担が少ないキーボードという特徴がある。
★NICOLA配列(NIhongo nyuryok COnthotium LAyout)
OASYSでかな入力する場合、キーボードはJISか親指シフトのいずれかを選ぶことができる(ローマ字入力なら、どちらでもOK)。カタログを見ると、キーボードの説明に「親指シフトキーボード(NICOLA配列準拠)」とあることに、皆さんはお気づきだと思う。
では、親指シフトとNICOLAは、どう違うのか?
NICOLA配列は、従来の親指シフトに改良を加え、
「日本語入力コンソーシアム」で規格化されたキーボード配列のこと(1990年に発表)。改良のポイントは次の2点だ。
(1)「ぱぴぷぺぽ」の半濁音を右手の範囲に割り振り、親指左キーとの同時打鍵で入力できるようになった。
(2)親指左右キーと変換・無変換キーの機能統合を行った。
1990年以降、パーソナルOASYSのほとんどが、このNICOLA配列に準拠している。
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