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2010.10.25
自衛隊観閲式 中国海軍に警戒感 菅首相「多用な事態に対処」
カテゴリ自衛隊出典 読売新聞 10月25日 朝刊
記事の概要
菅首相は24日、陸上自衛隊の朝霞訓練場(埼玉県)で行われた自衛隊観閲式で訓示し、日本周辺の安全保障環境について「ミサイルや核兵器の開発が懸念される北朝鮮や、軍事力の近代化を進め、海洋における活動を活発化させている中国に見られるように厳しさを増している」との認識を示した。
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を念頭に「自衛隊は多様な事態に実効的に対処しうる事態を常に取っておく必要がある」と強調し、防衛大綱策定に合わせて、防衛力整備のあり方を積極的に見直す考えを示した。
また、今年は日米安保条約改定から50周年に当たることから、首相は「日米同盟はわが国の防衛のみならず、アジア太平洋地域の安定と繁栄を支えるうえで、重要な役割を果たしている。21世紀にふさわしい形で着実に深化させていきたい」と述べた。
菅首相は24日、陸上自衛隊の朝霞訓練場(埼玉県)で行われた自衛隊観閲式で訓示し、日本周辺の安全保障環境について「ミサイルや核兵器の開発が懸念される北朝鮮や、軍事力の近代化を進め、海洋における活動を活発化させている中国に見られるように厳しさを増している」との認識を示した。
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を念頭に「自衛隊は多様な事態に実効的に対処しうる事態を常に取っておく必要がある」と強調し、防衛大綱策定に合わせて、防衛力整備のあり方を積極的に見直す考えを示した。
また、今年は日米安保条約改定から50周年に当たることから、首相は「日米同盟はわが国の防衛のみならず、アジア太平洋地域の安定と繁栄を支えるうえで、重要な役割を果たしている。21世紀にふさわしい形で着実に深化させていきたい」と述べた。
コメント
今年の観閲式は菅首相が中国の海軍進出をどのように評価するか、それが最大の見物ポイントだった。
それが「中国海軍が近代化を進め、活動を活発化させたので、(日本の周辺海域が)厳しさを増している」という言葉だった。
そして「日米同盟の深化」という言葉でしめた。この言葉はわが国の安全保障上では、”中国とは「戦略的互恵関係」”という言葉と同等に使われる慣用語となった。
ところで今年の防衛白書(日本の防衛 平成22年版)にも掲載(60ページ)されているが、中国側から地図を見ると、日本列島や南西諸島が中国海軍の太平洋進出を塞(ふさ)ぐように位置している、いつもの地図である。
この地図は、日本国民にわが国の戦略的重要性を訴えるものではないことに気がついているだろうか。これは日本からアメリカ向けに示された地図なのである。
アメリカに日本の戦略的な重要性を教え、日本が中国の勢力下に入れば、中国とアメリカは太平洋を挟んで、中国と直接対峙するというメッセージが込められている。
これは米ソ冷戦時代に、アメリカは欧州方面で直接ソ連軍と対峙することを避けるため、北大西洋条約機構(NATO同盟)を作って、ソ連側(ワルシャワ条約機構)と対峙した構図と同じなのだ。
すなわち中国を相手に考えれば、日本の存在はアメリカにとってNATOと同等の重要な存在であることを認識させたいのである。
それが今では逆で、この地図が日本国民にアメリカの防波堤の大切さを訴えるシンボルになっている。このあたりに日本の防衛(国防)意識の低さを感じてしまう。
日本の国防戦略はアメリカの防波堤になることではないし、中国の太平洋進出を押さえ込むためでもない。
それに、日本が勝手にアメリカの防波堤になりたいと思っても、中国が北朝鮮を植民地化し、さらに韓国も併呑して朝鮮半島を中国の影響下に置けば、日本が中国進出の防波堤の役割をなすことは成り立たない。
この大原則を忘れると、アメリカに日本を守ってもらっているとか、いざというときはアメリカが助けてくれるとい依存心になってしまう。
アメリカはアメリカの事情で、日本は日本の事情で、互いに日米同盟を結んでいるのである。
ここに日本の国防戦略の基本があり、その基本に沿って防衛大綱の策定を行うべきなのだ。
今年の観閲式は菅首相が中国の海軍進出をどのように評価するか、それが最大の見物ポイントだった。
それが「中国海軍が近代化を進め、活動を活発化させたので、(日本の周辺海域が)厳しさを増している」という言葉だった。
そして「日米同盟の深化」という言葉でしめた。この言葉はわが国の安全保障上では、”中国とは「戦略的互恵関係」”という言葉と同等に使われる慣用語となった。
ところで今年の防衛白書(日本の防衛 平成22年版)にも掲載(60ページ)されているが、中国側から地図を見ると、日本列島や南西諸島が中国海軍の太平洋進出を塞(ふさ)ぐように位置している、いつもの地図である。
この地図は、日本国民にわが国の戦略的重要性を訴えるものではないことに気がついているだろうか。これは日本からアメリカ向けに示された地図なのである。
アメリカに日本の戦略的な重要性を教え、日本が中国の勢力下に入れば、中国とアメリカは太平洋を挟んで、中国と直接対峙するというメッセージが込められている。
これは米ソ冷戦時代に、アメリカは欧州方面で直接ソ連軍と対峙することを避けるため、北大西洋条約機構(NATO同盟)を作って、ソ連側(ワルシャワ条約機構)と対峙した構図と同じなのだ。
すなわち中国を相手に考えれば、日本の存在はアメリカにとってNATOと同等の重要な存在であることを認識させたいのである。
それが今では逆で、この地図が日本国民にアメリカの防波堤の大切さを訴えるシンボルになっている。このあたりに日本の防衛(国防)意識の低さを感じてしまう。
日本の国防戦略はアメリカの防波堤になることではないし、中国の太平洋進出を押さえ込むためでもない。
それに、日本が勝手にアメリカの防波堤になりたいと思っても、中国が北朝鮮を植民地化し、さらに韓国も併呑して朝鮮半島を中国の影響下に置けば、日本が中国進出の防波堤の役割をなすことは成り立たない。
この大原則を忘れると、アメリカに日本を守ってもらっているとか、いざというときはアメリカが助けてくれるとい依存心になってしまう。
アメリカはアメリカの事情で、日本は日本の事情で、互いに日米同盟を結んでいるのである。
ここに日本の国防戦略の基本があり、その基本に沿って防衛大綱の策定を行うべきなのだ。