女子フリーのジャンプで転倒する、8位に終わった浅田真央
「フィギュアスケートNHK杯第2日」(23日、名古屋市ガイシプラザ)
真っ青な表情で、リンクに視線を落とした。演技後、落胆しきったしぐさが、すべてを物語っていた。真央が跳べない。トリプルアクセルは0・5回転になり、2つの連続ジャンプで転倒。フリーの85・45点、SPとの合計133・40点とも自己最低。経験したことのない8位に沈んだ。
「まだ完ぺきじゃないけど、良くはなっている。練習を積み重ねれば、試合でも出せる」。言葉は前向きでも、状態は深刻だ。後半のトリプルアクセルを外すなど難易度を落とした。それでも7回のジャンプのうち5回が失敗だった。
掲げた目標は世界選手権(3月・東京)の連覇。しかし、バンクーバー五輪に出場した安藤美姫、鈴木明子に加えて村上も台頭。年末の全日本選手権後に決まる3人の出場枠は、今の真央には高く厚い“壁”となる。
「ジャンプはまだ練習でも半分くらいの出来。本番の緊張感のある中で跳ぶには、練習で100%にしないといけない」と誓う。次戦は11月26日のフランス杯。「早くパーフェクトな演技を見てもらいたい」。願いを込めるように話した。
(2010年10月23日)