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【プロ野球】

9回表執念同点も… 巨人 力尽きた

2010年10月24日 紙面から

5回表2死二、三塁、空振り三振に倒れた代打長野(7)を厳しい表情で見つめる原監督。左奥は伊原ヘッドコーチ、手前は次打者坂本

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◇クライマックスシリーズ セ・ファイナルS<第4戦>

中日4−3巨人

 夢が離れていく。無情の打球は左翼フェンスまで達した。日本一連覇は消えた。「全力で戦ったが、目標を勝ち取ることはできなかった」と原監督。巨人の2010年が終わった。

 追いすがった。食らい付いた。9回に下位打線で2点を奪って同点。しかし、最後まで竜の壁、鬼門の魔力を突き崩すことはできなかった。今季ナゴヤドームではCSも含めて3勝13敗。レギュラーシーズンは12試合25得点、CSでも4試合6得点しか奪えなかった。

 象徴的な試合で終戦を迎えた。幾度となく好機を逃し、主導権を手放した。「同じチーム、同じ投手、ここ1本(が出ない)という部分で、かなり苦戦を強いられた」。ナゴヤドームでの中日戦。それがすべてだった。

 指揮官という職は喜怒哀楽との戦いでもある。大舞台の経験を重ねた原監督であっても、試合後はさまざまな感情が去来する。「負ければガッカリもするし、勝てばうれしいものだよ」。それでも、試合後はポーカーフェースを意識してきた。その難しさをかみしめるように言う。「感情のままに(言葉を)言えたら楽だけど、選手に押しつけるようなことはしたくない」。怒りはしまい込む。しかし心に誓った禁は、誤算の連続で破られることもあった。

 山口の先発転向は裏目。ゴンザレスは勝ち星を10も減らした。守護神クルーンはいつまでも不安定だった。不動の5番ともくろんでいた亀井も最後まで本調子を取り戻せなかった。頂上決戦直前の坂本の故障は極め付きだった。

 「敗戦を糧に」。指揮官が好んで使う言葉だ。150試合を戦い、目の前には課題の山が積み上がった。試合後、原監督は「少しリラックスさせてもらって、また次のことを考えたい」と静かに話した。糧とすべき材料を一つ一つ精査する作業が始まる。

  (井上学)

 

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