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【グラニュース】


傷だらけで守り抜いた

2010年10月24日 紙面から

神戸−名古屋 前半、ヘッドで先制点を決めるグランパスの玉田=ホームズスタジアム神戸で(隈崎稔樹撮影)

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 前節敗れた首位の名古屋グランパスは神戸の反撃に苦しんだが逃げ切り、勝ち点を57に伸ばした。16位の神戸は後半、名古屋を攻めたが10試合連続白星なしとなった。C大阪は仙台と無得点で引き分け。山形を下して6試合ぶりの白星を挙げた清水と勝ち点45で並んだ。磐田は浦和に逆転勝ちし、6試合連続負けなしと好調。FC東京−新潟は引き分けた。24日はともに勝ち点46の鹿島が横浜Mと、G大阪が京都と対戦する。

◆名古屋2−1神戸

 次々と繰り返される神戸の怒濤(どとう)の攻撃を防ぎきり、終了の笛を聞くと、ストイコビッチ監督は、両手を大きく突き上げた。ピッチ上では疲労困憊(こんぱい)の中で勝ち点3をつかみ取ったイレブンが、肩を抱き合って喜びを分かち合っていた。

 後半41分だった。相手のカウンター攻撃を防御するために戻った闘莉王が右太ももの裏側を痛めた。しかし、直前に3枚目の交代カードを切ったばかり。2人が負傷で退き、もう枠は残されていなかった。それでも、「外へ出て10人になるという考えはなかった」という闘莉王は、最終ラインから1トップへ“避難”したものの最後まで戦い続けた。

 最初に離脱したのは金崎だった。後半11分、スルーパスに抜け出し、シュートを放った直後に、倒れ込んだ。こちらは左太もも裏側を痛めた。駆け寄ったメディカルスタッフは、間髪入れずにバツのサインを送った。

 2人目はマギヌン。前半の接触プレーで、左太ももの上部をけられた。「そのままプレーすると大きなけがになりそうだったが、ハーフタイムに闘莉王が監督に言ってくれた」(マギヌン)。ほかならぬ闘莉王の進言で、後半21分にピッチを退いた。

 試合後、右足を引きずりながらも闘莉王は力強く言った。「この試合が引き分けとか負けで終わっていたら、マイナスの風が吹いたかもしれない。でもみんなが必死で守り抜いた」

 C大阪、鹿島と上位チームと対戦する前に、攻守の中心選手が離脱する危機に陥った。好セーブで最少失点に抑えたGK楢崎は「大事な選手がいなくなるリスクは常にある。ただ、追いつかれなくて良かった。新潟の敗戦を修正してリカバーできた」と話した。

 傷だらけになりながらも、全員で最後まで守りきったグランパスは、大きな代償を払って、優勝へまた一歩前進した。 (伊東朋子)

 

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