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【大リーグ】元広島ルイスで決めたリーグ初V レンジャーズ50年目の歓喜!!2010年10月24日 紙面から
◇ア・リーグ優勝決定シリーズ(第6戦)22日(日本時間23日)、当地でア・リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)第6戦が行われ、レンジャーズ(西1位)がヤンキース(ワイルドカード=WC)を6−1で破り、4勝2敗として球団創設50年目で初のリーグ制覇とワールドシリーズ(WS)進出を決めた。元広島の右腕コルビー・ルイス(31)が8イニングを3安打1失点で今シリーズ2勝目を挙げ、球団史上初のリーグ優勝投手。ポストシーズン(PS)では球団初の本拠地勝利(16日)に続き、球団史にその名を刻んだ。3勝のジャイアンツ(西1位)と2勝のフィリーズ(東1位)が対戦するナの同シリーズは23日に第6戦。WSは27日、ナ王者の本拠地で開幕する。 半世紀をかけ歴史の1ページを刻んだ瞬間、紙吹雪が舞い、花火が打ち上がった。球団創設50年目のリーグ初V。超満員のレンジャーズボールパークが地響きのような歓声に包まれた。スタンドで狂喜乱舞する地元ファン、そして喜びを爆発させ何度も熱い抱擁を繰り返したレ軍。リーグVをデザインした赤いTシャツを着込んだ選手が球場内をウイニングランすると、本拠地のボルテージは最高潮に達した。 そんな歴史的勝利をたぐり寄せたのが先発のルイスだ。「アメリカに戻ってきて、大きなご褒美をもらったような気持ちだ」。8回を3安打1失点の快投劇。31歳の右腕は白星を挙げた第2戦以上に緩急を巧みに操り、強力ヤンキース打線を手玉に取った。力強い速球に加え、広島時代に磨きをかけたスライダー、カーブを低めに集める投球に終始。ワシントン監督も「素晴らしい。大舞台で好投するだけの実力があることは分かっていた」と目を細めた。 広島時代は、メジャーの大舞台で先発する姿など想像もできなかった。08年から2年間、広島のエースに君臨。日本で骨を埋める覚悟を決めたルイスに、メジャー復帰の誘いをかけたのがレ軍だった。甲状腺を患っていたジェニー夫人の体調面も考慮し、古巣の復帰を決断。この日は観戦した3歳の長男・ケード君があまりの報道陣の多さに泣き出すハプニングもあったが、家族の存在こそがメジャー自己最多の12勝、今シリーズでも2勝を挙げた要因だ。 クラブハウスで行われた本拠地初のシャンパンファイト。同僚のハンターに背後からシャンパンを浴びたルイスが「Wow〜」と何度となく絶叫した。「日本のファンと広島には感謝している。ワールドシリーズの登板? そこまで来たと思うと鳥肌が立つね」。日ごろは冷静沈着な男も、この日ばかりは顔を紅潮させ喜びを爆発させた。 (大城和美)
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