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復権うかがう安倍晋三氏 尖閣事件批判の急先鋒 保守勢力の核になれるか (2/2ページ)
このニュースのトピックス:自民党
8月に行われた参院自民党議員会長選で、安倍氏は自らが所属する町村派から出馬した谷川秀善前参院幹事長を推さず、「世代交代」を掲げた伊吹派(当時)の中曽根弘文元外相を水面下で支援。森喜朗元首相との確執を生む結果となったが、存在感を示すことにもつながった。先の衆院選で自民党保守系若手の多くが落選、ややリベラルの谷垣氏を中心とした執行部体制となったことは、自民党の支持が回復しない一因となっている。中川氏の急逝もあり、50歳代である安倍氏に保守派リーダーとして返り咲きを望む声は少なくない。
ただ、政界混迷の原因は、安倍氏が首相として臨んだ3年前の参院選惨敗にあることは間違いない。しかも安倍氏はその後体調を崩して退陣した。自民党には「安倍氏のせいで…」との恨み節はなお残り、安倍氏の言動に「あの人に言われても…」という拒絶反応はなお消えない。党内には安倍氏を含む首相経験者全員の政界引退を求める声さえもある。
それだけに安倍氏復権のハードルは高い。創生日本をいかに育て上げるかも大事だが、北朝鮮による拉致問題で見せたような政治手腕を振るうことができるか。そして政界再編を見据えながら明確な国家ビジョンを示すことができるか。首相経験者とはいえ、政治家としての正念場はこれからだといえる。