ツンデレなあいつ no4
デート前夜から寝られなくって、今思うと遠足前の子どもみたい。姉さんにもあきれられた。
「あんたねぇ、はしゃぎすぎ。みっともない」
「だって〜」
姉さんはもてるタイプで何人もボーイフレンドがいるけど、あたしはそうじゃないんです。たった一人の人に恋して、やっと第一歩を踏み出したんです。喜ばずにいられようか。とにかく寝不足の顔で会うわけにはいかないから、しっかり寝たけどね。
デート当日。
あたしは胸の少しあいたチュニックに、デニムパンツ。ツインテールで勝負に挑んだ。
待ち合わせは駅前。実は竜崎さんの住んでる町から私の住んでる町は遠い。誘ったのはいいけど、あたしが塵がわからないといったらこっちに来るって言ってくれた。やっぱ、脈あり!?
時間より早めに駅に行くと、竜崎さんはもう来てた。時間に几帳面なんだ。メモメモ。
「おはようございます、まちました?」
「いや、今ついたとこ」
「えと、上映時間ゆっくりありますから」
「うん」
あたしは精いっぱいのおしゃれをしたけど、竜崎さんはサンダル履きにひざ丈の短パン。なんというか、近所に遊びに来た風情。オシャレというより、オタク? うん……まさにオタクっぽい。変に飾らないだけなのかなぁ……
映画を見てる間、ほんとに緊張した。だって濃厚なラブシーンがあったから。顔が引きつってしまう。変に意識して、手なんか握ってきたらどうしてくれよう。握り返してやる、なんて身構えてたのに、なんにもなかった。
暗い映画館を出て、一緒にカレーを食べて、喫茶店でお茶する。時間はあっという間に立つ。ずっと映画の話ばかりしてた。というか、映画の話しかしない。それでも、楽しそうに話す竜崎さんがかわいくて、ずっと見とれてた。
あたしから言わせたら竜崎さんはかわいいしかっこいい。色白で、メガネかけてて、背もそんなに高くないんだけど、あたしはそんな柔和で優しい印象が好き。
「じゃ、もう六時だし、帰る」
「え……」
帰るんですか? この後、夕飯とか、カラオケじゃないんですか? デートじゃなかったんですか? なんて心で叫ぶあたしを置いて、竜崎さんは帰って行ってしまった。今考えても冷たい。
でもその夜、竜崎さんにあたしは告白してみた。
「好きです」
この言葉をまず最初にいった。
「……マジ?」
問い返すときの沈黙が気になったけど、マジです。
「あんたねぇ、はしゃぎすぎ。みっともない」
「だって〜」
姉さんはもてるタイプで何人もボーイフレンドがいるけど、あたしはそうじゃないんです。たった一人の人に恋して、やっと第一歩を踏み出したんです。喜ばずにいられようか。とにかく寝不足の顔で会うわけにはいかないから、しっかり寝たけどね。
デート当日。
あたしは胸の少しあいたチュニックに、デニムパンツ。ツインテールで勝負に挑んだ。
待ち合わせは駅前。実は竜崎さんの住んでる町から私の住んでる町は遠い。誘ったのはいいけど、あたしが塵がわからないといったらこっちに来るって言ってくれた。やっぱ、脈あり!?
時間より早めに駅に行くと、竜崎さんはもう来てた。時間に几帳面なんだ。メモメモ。
「おはようございます、まちました?」
「いや、今ついたとこ」
「えと、上映時間ゆっくりありますから」
「うん」
あたしは精いっぱいのおしゃれをしたけど、竜崎さんはサンダル履きにひざ丈の短パン。なんというか、近所に遊びに来た風情。オシャレというより、オタク? うん……まさにオタクっぽい。変に飾らないだけなのかなぁ……
映画を見てる間、ほんとに緊張した。だって濃厚なラブシーンがあったから。顔が引きつってしまう。変に意識して、手なんか握ってきたらどうしてくれよう。握り返してやる、なんて身構えてたのに、なんにもなかった。
暗い映画館を出て、一緒にカレーを食べて、喫茶店でお茶する。時間はあっという間に立つ。ずっと映画の話ばかりしてた。というか、映画の話しかしない。それでも、楽しそうに話す竜崎さんがかわいくて、ずっと見とれてた。
あたしから言わせたら竜崎さんはかわいいしかっこいい。色白で、メガネかけてて、背もそんなに高くないんだけど、あたしはそんな柔和で優しい印象が好き。
「じゃ、もう六時だし、帰る」
「え……」
帰るんですか? この後、夕飯とか、カラオケじゃないんですか? デートじゃなかったんですか? なんて心で叫ぶあたしを置いて、竜崎さんは帰って行ってしまった。今考えても冷たい。
でもその夜、竜崎さんにあたしは告白してみた。
「好きです」
この言葉をまず最初にいった。
「……マジ?」
問い返すときの沈黙が気になったけど、マジです。