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【結婚詐欺・連続不審死】緻密証拠積み重ね サイン筆跡、目撃情報… (2/2ページ)
■偽装
4人の不審死のうち2人は自殺などとみなされ、死因を詳しく調べる司法解剖が行われていなかった。寺田さんもその1人だ。
寺田さんは昨年2月4日、自宅マンションの布団の上であお向けに倒れ死亡しているのが見つかった。室内には練炭を入れたこんろが6つ置かれていた。
警視庁青梅署は、自室が施錠されていたことや交際相手の木嶋被告が「別れ話のショックで自殺したかもしれない」と証言したことから自殺と判断していた。警視庁の捜査幹部は「大出さんのように、睡眠導入剤を服用していたとしても分からない。もう少し周辺捜査を尽くしていればその後の被害を防げた可能性があった」と話す。
■ハードル
大出さんの事件をめぐって埼玉県警は、木嶋被告が▽車内にあった七輪や練炭と同じ商品を購入▽大出さんから検出されたものと同じ睡眠導入剤を処方されていた−ことなど状況証拠を積み重ね殺人容疑での立件にこぎつけた。
木嶋被告は埼玉県警などの調べに対しほぼ黙秘。警視庁も「木嶋被告から具体的な供述を得るのは困難」(捜査幹部)とみており、埼玉県警と同様に状況証拠の積み重ねが立件のポイントだ。
警視庁のこれまでの捜査で、練炭が寺田さん宅に届いた際、宅配便の受け取りの書類にあった寺田さんのサインが木嶋被告の筆跡と酷似したことが判明。木嶋被告が練炭を購入した疑いが強まった。
事件前後に木嶋被告の車が寺田さん宅周辺で目撃されていることも把握。木嶋被告以外の人物の関与をつぶす作業も重ね、木嶋被告以外に犯行を実行できる者はいないことを裏付けていった。
中央大の藤本哲也教授(犯罪学)は「同様の立証方法は和歌山の毒物カレー事件の公判でも用いられた」とし、「ハードルは高いが、緻(ち)密(みつ)な立証を行えば有罪が認定される」と話している。
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