2010年10月24日3時2分
東京都青梅市で2009年2月に会社員寺田隆夫さん(当時53)が遺体で見つかった事件で、死亡したのは無職木嶋佳苗被告(35)とともに寺田さんの姉に結婚のあいさつに行く予定の直前だったことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、木嶋被告が練炭自殺を装って寺田さんを殺害した疑いが強まったとして、近く殺人容疑で逮捕状を請求する方針だ。
捜査関係者によると、寺田さんは09年1月30日夜に勤務先を退社。翌31日には木嶋被告とともに姉を訪ねて結婚のあいさつをする予定だったが、姉のところに現れなかったという。木嶋被告が30日夜と31日早朝に、寺田さんのマンション近くにいたことも確認されたという。
数日後の2月4日早朝、青梅市東青梅4丁目のマンション2階の自宅で、寝室の布団の上で死亡している寺田さんが見つかった。3DKの各部屋に練炭用コンロが計6個置かれ、いずれも練炭を燃やした跡があったとされる。
関係者によると、木嶋被告は同年1月上旬に1種類の練炭用コンロを3個、さらに同月下旬にはそれとは違う種類のコンロ3個を、それぞれインターネットで購入していた。現場にあったコンロ6個は木嶋被告が購入した2種類と型が同じという。
寺田さんから木嶋被告の銀行口座に繰り返し現金が振り込まれ、渡った金は計約1700万円にのぼった。木嶋被告の専門学校の学費などの名目だったという。
木嶋被告は、インターネットの結婚相手を探すサイトで知り合った相手から現金をだまし取ったなどとして6回逮捕された後、埼玉県内で練炭自殺を偽装し東京都千代田区の会社員大出嘉之さん(当時41)を殺害したとして逮捕、起訴され、さいたま地裁で公判前整理手続き中。いずれも否認しているという。警視庁などは身柄を移管する手続きに入る。