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栽培雑記 Vol-1
U.dichotoma
-加温不要の海外産ウトリクラリア-
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1.概要
今、うちにあるU.dichotomaが満開です。紫色の大きな花が10以上乱れ咲き状態です。
この植物はオーストラリア原産で、古くから日本に導入されて、栽培されてます。
一般の園芸店などでも1鉢500円から700円程度で販売されてます。
栽培も簡単で、よく増殖しますので、是非コレクションの一つに入れたいものです。


2.栽培の基本
苗を入手したら、一回り大きな鉢にミズゴケなどで植え込み、腰水にして、よく日光のあたる
場所に置きます。
鉢は素焼きでもビニールポット、プラ鉢など何でもOKです。また浅く植えても深く植えても問
題ありません。
当方では、100円ショップのプラスティック製の長方形(縦15cm 横20cm)のザルに植えて
ます。直射日光にガンガンに当てて栽培すると、よく花が咲きます。昔はネペンテス温室内
で栽培していて、一向に花が咲かなかった時代がありましたが、ある方の栽培場を見学し
たときに、サラセニアの水盤と同じ場所に置いてあるのを見て以来、ネペンテス温室から出
して、サラセニアの水盤に置いて栽培するようになりました。
5月から真夏にかけて暑がることなく増殖し、気が付くと鉢一杯に葉が広がっていることでしょう。
過密状態は好ましくないので、適当にちぎって鉢数を殖やしましょう。
冬越しですが、昔はネペンテス温室に入れてあったので、当然15度程度の保温をしていたわけ
ですが、サラセニアの水盤に入れた年は、冬に温室に収容するのを忘れてしまい、気が付いた
ら、真冬の2月ごろでした。当然表面にU.dichotomaの姿はなく、枯れたと思い、そのまま放置
してました。
ところが春になると、あちこちから青い細長い葉が出てきて、5月には開花したのです。
種子で越冬した可能性もありますが、地下の部分で休眠していたのでしょう。怪我の功名ですが、
それ以来毎年加温しないで、サラセニアの水盤で越冬させてます。つまり1年中サラセニアと同じ
場所で栽培が可能であるとの結論が出たわけです。
しかし、これは関東の千葉県での話で、北海道や東北方面などの厳寒地域でこの方法が通用す
る保証はありませんが、少なくてもサラセニアが外で栽培可能である地域なら問題なく栽培可能
だと思います。
5月から真夏にかけてよく開花はするのですが、種子が出来たことは有りません。日本産ミミカキ
グサ類のように勝手にサラセニアやドロセラ類の鉢に勝手に自生するということはないようですの
で、おそらく日本では種子が実らないのでしょう。
なお、U.dichotomaと同様に栽培できる外国産ミミカキグサとしては、以下のものがあります。
◆U.subulata
北アメリカに広く分布する小さくて地味なミミカキグサです。開花しなくても種子が実るいわゆる
閉鎖花とよばれるものをつけ、種子がたくさんでき、あちこちに種子を撒き散らします。
よってサラセニアやドロセラ(イトバモウセンゴケ、ヨツマタモウセンゴケ、ハエトリソウなど)の
鉢のあちこちに勝手に分布しております。
これはU,dichotomaとは違い、種子で越冬していると推測されます。
◆U.aff warburgii 
これは中国雲南省産で、種の分類ははっきりしていなく、ウトリクラリアの研究家斎藤央氏により
同産のwarburgiiに近縁とのことで、この名前で落ち着いてます。もともとある業者よりU.sp blue
で出回り、今ではクリオネの花に似ているというので、U.sp クリオネという名前で一般市場にも
出回っています。
これも種子が良く出来て、U.subulata同様、勝手に分布域を広げております。
ちょうど今が開花時期で、鉢一杯に開花させると見事です。