2010年10月24日14時13分
若者向けにPRするため、会議をする大阪市のゆるキャラたち=大阪市住之江区、小玉重隆撮影
若者に手を振ってPRする大阪市のゆるキャラたち=大阪市住之江区、小玉重隆撮影
ゆるキャラまつり会場を練り歩く「あべのん」(右から2体目)たち=23日午前、滋賀県彦根市、筋野健太撮影
大阪市には、実は34もの「ゆるキャラ」がいる。市民局、健康福祉局、水道局、選管など各部署ごとに管理されて活動もバラバラだったが、最近になって「縦割り」の解消に乗り出した。カタログを作り、イベントに集団で参加しやすいよう着ぐるみの貸出窓口を一本化。滋賀県彦根市の「ひこにゃん」に肩を並べる人気キャラが輩出する、AKB48のような集団にしたい、と意気込む。
23日、滋賀県彦根市で開かれた「ゆるキャラまつりin彦根」。全国のゆるキャラの着ぐるみが一堂に集まるこのイベントで、大阪市阿倍野区のキャラクター「あべのん」は午後からステージに上がり、肩こりに効く「大阪体操」を披露した。「あべのん」は、阿倍野区の「花」に指定されている桃の花の飾りをつけた妖精。区役所からは職員9人がボランティアで駆けつけた。
17日、大阪市の見本市会場「インテックス大阪」に市の各部署や各区のゆるキャラ10体が集結し、「着ぐるみ経済的活用等委員会」の初会合という位置づけのデモンストレーションが開かれた。この場で、バラバラだったゆるキャラを結束させることが決定。会場内の広場では、コブシの花がモチーフの「こぶしのみのりちゃん」(東淀川区)、御堂筋のイチョウをイメージした選挙マスコット「センキョン」(市選管)らが愛敬を振りまいた。
きっかけは昨年10月。市経済局の池田仁志・国際経済担当課長が、100体超のゆるキャラが集まる彦根市の「ゆるキャラまつり」を見て、その集客力に圧倒された。
「集団になるとインパクトが大きい。うちにも結構な数がいるはず」。池田さんが3月に調べると、各部署と15区に34もキャラがいた。だが、それぞれの部署のイベント以外は倉庫で眠っているだけの場合も多く、どれも知名度はいま一つ。公金を投入して作ったのに「縦割り」で活用しきれていなければ、市民から厳しい視線も浴びる。「もっと働いてもらわないと。AKB48みたいに集団で登場すれば、華やかさも増して人目を引く」と考え、各部署に呼びかけた。