記録的な大雨で大きな被害が出た鹿児島県の奄美市住用町では、警察官が、泥水が入った高齢者の家を回って清掃活動を行っています。
奄美市住用町では、はんらんした川の水や大量の土砂が住宅に流れ込んだため、今も多くの人が避難所生活を余儀なくされ、特に高齢者の独り暮らしや夫婦だけの世帯は片づけの作業が進んでいません。このため、24日、奄美警察署の警察官らおよそ30人が各地を巡回して清掃活動を行っています。このうち、西仲間地区で妻と2人で暮らしている元澄照さん(81)の住宅では、警察官が壊れたタンスや泥水につかった衣類などを運び出していました。元さんは、老後を過ごすために20年ほど前に家を建てたということで、泥まみれになった家財道具が次々に運び出されるのを見守っていました。元さんは「急に水が家に入ってきたので、父親の遺影と遺灰だけ持って、妻と急いで避難しました。早く元の生活に戻りたいですが、家の中の損傷が激しく、この家には戻れないかもしれません」と話していました。奄美警察署の森満雅哉地域課長は「被災した住宅の清掃活動はお年寄りには難しく、一刻も早く帰れるよう全力で頑張りたい」と話していました。